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24.
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Aの気配を感じ取ったのか、樹はゆっくりと眠りから目を覚まし、目の前に立っているAを呆然と見つめた。
｢うわ、起きた｣
｢…ここどこ?｣
｢学校｣
｢あぁ…｣
｢何してるの?｣
｢眠くなって、寝た｣
｢子供か｣
Aと樹は久しぶりに言葉を交わしているはずが、不思議と気まずさは一切感じなかった。
樹が少し寝ぼけているせいか、クリスマスの夜の喧嘩がなかったかのようだとAは少し戸惑った。
それでも、Aはこのまま樹と何も解決しないまま離れることだけは嫌だと思い、樹と話すチャンスを逃さなかった。
そして樹の座る前の席に座り、机をはさみ向かい合う形で樹と会話をする姿勢をとった。
｢え?座んの?｣
｢座る、まだ帰りたくない｣
｢あっそ…｣
｢なんか喋ろうよ、最後なんだし｣
『最後』というのは、高校生活の最後なのか、樹とふたりで話すのが最後なのか…この時のAはもちろん前者のつもりだった。
｢なんかそう言われると、ムズいな｣
Aも樹も、いざこうやって向かい合うと、いつもどんな話をしていたのか、なんであんなに笑い合っていたのかわからなくなる。
｢あ、そういえば樹、どうするの?卒業後｣
Aはなんとなく、ありがちな質問をしてみた。
｢ん?あー、バイト先の店長に、世話になる…かな｣
｢そっか｣
会話があっさりと途絶えてしまったことに若干の申し訳なさを感じた樹は、思い出したかのように喋り出す。
｢あ、今度さ、Aの両親に会わせてほしい｣
｢え?なに?結婚のご挨拶?｣
｢娘さんをください!…なんつって｣
樹は机に額がつきそうなほど深々と頭を下げてみせる。
そして顔を上げると目までかかる前髪越しにAと目が合う。
Aは少しドキッとしたことを隠すように素早く目を逸らした。
｢うまいな｣
｢…じゃなくて、学費とか色々…、直接お礼言いたい｣
樹の真面目な話にAも傾ける。
｢樹がそうしたいなら、わかった。でも、パパもママも気にするなって言うと思う。2人とも、樹のこと、大好きだから｣
樹は少し照れたような、嬉しいようななんとも言えない顔で笑った。
｢Aも、ありがと｣
｢私?｣
｢そばにいてくれて、ありがとう｣
樹の素直な言葉は、Aの胸の真ん中を揺らす。
まるで自分の本音も求められているかのように感じたAは、ゆっくりと真っ直ぐの言葉を樹に伝える。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
