-第2章- （19.） ページ24
19.
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季節は移り変わり、木枯らしが吹きつける寒い冬となった。
Aが大我と出会って半年以上が経ち、その間もふたりは着々と愛を育んだ。
春に出会い恋に落ち、夏にはたくさんの思い出を作り、秋の日の物悲しさを乗り越え、冬の夜にひとつになった。
大我はAを深く愛し、Aもまたそれに喜んで応えた。
ふたりで迎える初めてのクリスマスの朝もまた、大我の部屋には仲睦まじいふたりの姿があった。
白い朝日に照らされながら、大我は大きなピアノの鍵盤の上で指を踊らせる。
Aは大我に寄り添うように隣に座り、それを静かに眺めていた。
時折、大我の顔を見て微笑むAの顔は、大我と出会う前のAは知らなかった『女の顔』だ。
大我は演奏を終えるとAを抱き寄せ、抑えていた欲が溢れ出すかのように彼女にキスをする。
Aもそれを待っていたかのように、それに応じる。
昨晩愛し合ったはずなのに、少しの間触れないだけでまたお互いを求め合う。
美しい朝に包まれたふたりは、甘美な時間を何度も何度も繰り返す。
ベッドに行く時間さえ惜しく、ふたりは高価なふかふかのソファの上で交わり合う。
Aは我を忘れるほどの快感を覚え、それと同時に少し怖くも感じた。
ふたりの体力が尽き、少し落ち着いた頃にAは自我を取り戻すのだ。
自分があげた声、体の動きやしぐさを思い出すだけで、Aは虚しくなる。
そして脳裏に一瞬、樹の顔が思い浮かび、それを急いで大我の顔で上書きする。
今もまた、それをするために隣で呼吸を整えている大我の顔を見つめた。
｢大丈夫?｣
｢うん、平気｣
大我の優しい声が、またAを女にしてしまう。
Aは大我を強く強く抱きしめる。
大我も同じ強さで抱き返した。
｢苦しくない?息できなくない?｣
｢このまま死んでもいい…なんて｣
大我の香りとAの香りが混ざり合い、Aは息を吸う度に幸せを感じた。
このまま死んだら、天国に行けるような気がした。
大我はAの首筋に自分の赤いマークを残し、Aは大我の背中に爪を軽く立てた。
ふたりはもう、すっかりお互いに依存していた。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
