49:最高の講義 ページ49
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『私最前列に座っても大丈夫ですかね？』
TH「あはっ、緊張してる。誰も気にしないよ」
HS「先に入って、座って」
ホソク先輩に押されて、テテ先輩と挟まれるように、大講義室特有の連なっている机と椅子に座る。左右が塞がれて出られない。
時間まで三人で変形菌トークをしていたら、四限の開始時刻から五分ほど遅れて、大人が三人入って来た。
学生課の職員さんと、恐らくチェ・ドンイ先生と、外部講師の先生だ。
やっぱり怒られないか身を縮めてしまったが、職員さんはにこやかに先生たちに挨拶をして出ていったし、先生たちも雑談をしながらマイクの準備をしている。
TH「A小さくなってる」
HS「ね、誰も気づかないでしょ。先生あんまり生徒の顔見ないし」
『はい。ここからは集中して、話を聞きます』
HS「楽しみだね」
ホソク先輩が私の背中をポンポンとたたく。テテ先輩もルーズリーフに日付と講義名を書き込んで、準備万端だ。
ーーーーーーーーーー
結論を言うと、控え目に言って最高の講義だった。変形菌の自律的分散システム、記憶について、過去の実験を見せながら解説して下さった。
とても分かりやすかったし、変形菌の魅力をさらに知れて、ますますハマってしまった。これから日常に役立てられるような進歩や発見が楽しみだし、できれば自分がそれに関わりたい。
テテ先輩とホソク先輩は質問までしていて、私もしたかったけれど勇気がなかった。実際、聞きたいことはほとんど先輩たちが聞いていた。
外部講師の方も粘菌研究会に興味を持ったようで、楽しげに質問に答えてくれていた。
授業が終わって、先生の元へ行く先輩たちについて行く。
先生は熱心に頷きながら聞いてくれる子たちが前にいて、こっちも話しやすかったよと言って下さった。
そこでは私も変形菌への熱意と授業の感想を言えて、自己満足だけど嬉しかった。
これからも一緒に変形菌の世界を盛り上げていこうね、とありがたい言葉を貰って、三人で教室を後にした。
気さくで、とても素敵な先生だった。
HS「良かったねー、ススホコリの子実体を見逃すのは惜しかったけど、それに値する講義だった」
TH「うん！ジミニヒョンもそろそろ帰って来てるくらいでしょ。そっちもみんなでまとめよう！」
『ここ数日、幸せです』
私だけ五限があったので先輩たちと別れて、次の教室へ向かう。
ジミン先輩の記録も楽しみだ。
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あさなさな(プロフ) - 読み返していただいてるなんて光栄です！些細な描写も見てくださり嬉しいです、ありがとうございます！ (5月17日 12時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 度々すみません、改めて読み返しております。シルバニアぷいぷいホソク先輩、ますます大好きになりました。 (5月16日 21時) (レス) @page50 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - オドンチメグさん» ありがとうございます！粘菌も含め楽しんでもらえているなら幸いです。 (2023年4月22日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 菌トークの奥深さ、菌ギャグ…詳しくないのですが、笑っております！素敵な作品を読ませて頂いて幸せです…！ありがとうございます。 (2023年4月21日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» こちらまでありがとうございます！粘菌の湿ったお話ですが、よろしくお願いします。 (2023年4月19日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2023年2月25日 13時
