38:朝のお散歩 ページ38
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目が覚めたら、外はまだ暗かった。
スマホを手探りで引き寄せ、画面をつけると6:07と光る。昨日は適切な運動をして、適切に食べて、きちんとした時間に寝たので、普段目覚めないような時間に起きてしまった。
頭はスッキリとしていて、二度寝もできない。お泊りの高揚感が手伝ってのことかもしれない。
テテ先輩ほど分かりやすく表現できないが、私だって楽しみにしていたし、実際楽しんでいる。
7:30頃から起き出して、朝食を食べてフィールドワークに行く予定にしていた。このまま一時間半もゴロゴロする気分ではなく、外の空気を吸いに行こうと布団から抜け出す。
衝立の隙間から先輩たちを起こさないように、すり足で通り部屋を出る。
庭に出れるようになっている所があり、ロゴ付きのつっかけがいくつか靴箱に入っていた。庭へのガラスドアは鍵がかかっていなかったため、それを履き外へ出る。
ピンと張り詰める朝の空気に、姿勢が伸びるようで、思いっきり空気を吸い込む。と、庭の先の木の下に、知っている後ろ姿があった。
『ホソク先輩早いですね』
HS「うわぁ！」
びくりとして大きく驚きながら振り返るホソク先輩は、新歓祭ではじめて声をかけた時と一緒で、クスリと笑ってしまった。
『そんなに驚かないでください』
HS「驚くよ。Aで良かった」
『先輩も目が覚めちゃったんですか？』
HS「うん。Aも？」
『そうです』
そこまでで、会話が途切れる。特に話すこともないし、話しかけられない。
庭を一周ぐるっと回ってこようかと歩き出すと、ホソク先輩もついてくるのか、歩き出したようだった。
ゆっくり朝のお散歩をして、自然を味わう。
こういうの最近ずっとなかったから、癒される。昨日のフィールドワークは、虫が怖いし変形菌探しに気を張ってるしで、自然を満喫する余裕がなかった。
途中に池があり、鯉がたくさん泳いでいた。私がしゃがむと、ぞくぞくと集まってくる。
何も持っていないのに集まってくる鯉に、おかしくなって振り返ると、ホソク先輩が優しい顔でこちらを見ていた。
HS「俺ら餌持ってないのにね」
隣にきて鯉を見た後に、私に視線を流す。
咄嗟に顔を下に向けて、鯉に夢中な風に演出してしまう。
すると、左側から手が伸びてきて、私の横髪をすくようにひと撫でしていく。
HS「やっぱりさ、俺に見つめられるの、弱いでしょ。
すぐ逸らす」
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あさなさな(プロフ) - 読み返していただいてるなんて光栄です！些細な描写も見てくださり嬉しいです、ありがとうございます！ (5月17日 12時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 度々すみません、改めて読み返しております。シルバニアぷいぷいホソク先輩、ますます大好きになりました。 (5月16日 21時) (レス) @page50 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - オドンチメグさん» ありがとうございます！粘菌も含め楽しんでもらえているなら幸いです。 (2023年4月22日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 菌トークの奥深さ、菌ギャグ…詳しくないのですが、笑っております！素敵な作品を読ませて頂いて幸せです…！ありがとうございます。 (2023年4月21日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» こちらまでありがとうございます！粘菌の湿ったお話ですが、よろしくお願いします。 (2023年4月19日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2023年2月25日 13時
