35:はじめてのフィールドワーク ページ35
.
テテ先輩に手を放して欲しくて、軽く揺さぶる。
すると何を勘違いしたのか、そのままギュッとされて一緒にブンブン振ってきた。
ちょっと、バカップルみたいになっちゃいますって。宿の人の目元が余計に深い微笑みを湛えちゃってます。
慌てて力を入れて腕が動かないようにしていると、見かねたであろうホソク先輩が「えんがちょっ！」と言って、切ってくれた。
ありがたいんですけど、もうちょっと早くして欲しかったです。
そして、ますます誤解が深まったようで、できる限り宿の人とは顔を合わせないようにしようと、心に決めた。
TH「わー結構広いね。衝立いっぱい立てれるね」
HS「狭くしないでね」
JM「すみません、お昼を食べたいんですけど、オススメのご飯屋さんはありますか？」
各々荷物を置いて、ご飯屋さんもいくつか聞いて、宿を出る。
衝立は帰ってきてからもらうことにした。
ーーーーーーーーーーーーー
TH「ようやくフィールドワーク！巨大ススホコリちゃん、待っててね！今行くから！」
HS「情報はTwitterだけなんでしょ？結構厳しいよね」
JM「普通にフィールドワークして変形菌採集しながら、見つけられたらラッキーぐらいで良いんじゃない？」
『折角きたので、是非とも見つけたいです！』
JM「熱いね。そう言えば粘菌モードのAはじめてだ」
『粘菌モードって…』
TH「一見するとひかえめクールな感じだけど、粘菌のときはちゃんと主張するもんね」
HS「何気に変形菌採集は初？」
『ちゃんとははじめてです。見つけられるかドキドキです！』
JM「変形菌は身近にいるけど、探そうと思うと意外と見つかんなかったりするんだよね。でも案外初心者の方がパッと見つけちゃったりもする。
巨大ススホコリもAが見つけるかもね」
『頑張ります！』
TH「俺のススホコリのために頑張って！」
HS「みんなで探すんだろ」
ふかふかの腐葉土、落ち葉の裏、木の根元などを念入りに見ていく。ちょっと俯瞰して見たり、ペンライトやルーペで近づいて見たり、四人でゆっくり観察する。
これ、何も知らない人が見たら、すっごい不審者だろうなと思うと、笑えてくる。
TH「Aニコニコだね」
HS「これ、ウツボホコリだ！」
『どれですか？！』
JM「反応はや」
ホソク先輩の指の先には、朽ちた木の上に綺麗なオレンジ色があった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさなさな(プロフ) - 読み返していただいてるなんて光栄です！些細な描写も見てくださり嬉しいです、ありがとうございます！ (5月17日 12時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 度々すみません、改めて読み返しております。シルバニアぷいぷいホソク先輩、ますます大好きになりました。 (5月16日 21時) (レス) @page50 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - オドンチメグさん» ありがとうございます！粘菌も含め楽しんでもらえているなら幸いです。 (2023年4月22日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 菌トークの奥深さ、菌ギャグ…詳しくないのですが、笑っております！素敵な作品を読ませて頂いて幸せです…！ありがとうございます。 (2023年4月21日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» こちらまでありがとうございます！粘菌の湿ったお話ですが、よろしくお願いします。 (2023年4月19日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさなさな | 作成日時：2023年2月25日 13時
