4:握手 ページ4
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差し出された手に向かってそう言うと
TH「握手！あ、俺はキム・テヒョン。あっちはチョン・ホソク。君の名前は？」
HS「ちょっと、戸惑ってるでしょ？せっかくの新入生なのに、入るの辞めるってなったらどうするのさ」
『イ・Aです。あの、私、どうしても粘菌を勉強したいんです。だから、』
TH「ほんと？A変わってるね！ほら握手！手、出して」
そう言って無理矢理手を取られて、手をブンブンと上下に振る。
チョン・ホソク先輩の方を見上げると、
HS「うちのがごめんね。テヒョンア、手離してあげて」
手を解放して、私の隣に座るキム・テヒョン先輩。
元気な人だと思っていたが、私の顔を横から覗き込むように見るその目元が、一転してやけに色っぽかった。
TH「Aは農学部？モジホコリが好きなら真正粘菌だね。俺は細胞性粘菌とその土壌がメイン。隣の部屋でモジホコリもいっぱい飼ってるよ。見る？」
流れるように聞いてくる。圧倒されかけたけれど、モジホコリがいると聞いて、思わず前かがみになる。
『本当ですか？見ます！行きます！』
TH「おいで！」
HS「Aめっちゃ目、輝いてる。真正粘菌は俺の専門だよテヒョンア。タマホコリカビオタクは黙ってて」
TH「ずるい！はじめての後輩を独り占めしようとして。ホソガは粘菌枯らしてたじゃん！」
HS「枯らしてない！子実体を作ってただけだ！」
TH「できてなかった」
HS「菌核にはなってたろ？お前だって何回も子実体できなくて教授に泣きついてたくせに！」
TH「そんなことAの前で言わなくていいじゃん！それにホソガの方が失敗してた！」
HS「お互い様じゃないか！それに粘菌のその気まぐれな態度が可愛いんじゃないか」
TH「それはそうなんだよね」
急にヒートアップした会話は、急に鎮火した。
お二人の先輩方はとても粘菌が好きで、仲が良いということは伝わってきた。
チョン・ホソク先輩がドアを開けて振り返る。
HS「隣の部屋行こう。俺が飼ってるモジホコリ、丁度子実体が見れるかも」
『興奮します！！』
駆け寄ると、にっこり笑ったチョン・ホソク先輩はドアを開けたまま、私に先に出るように促す。
うわ、大学生ってこんなスマートなレディーファーストができるんだ。
なにはともあれ、私はこのサークルが、既にとっても気に入っていた。
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あさなさな(プロフ) - 読み返していただいてるなんて光栄です！些細な描写も見てくださり嬉しいです、ありがとうございます！ (5月17日 12時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 度々すみません、改めて読み返しております。シルバニアぷいぷいホソク先輩、ますます大好きになりました。 (5月16日 21時) (レス) @page50 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - オドンチメグさん» ありがとうございます！粘菌も含め楽しんでもらえているなら幸いです。 (2023年4月22日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 菌トークの奥深さ、菌ギャグ…詳しくないのですが、笑っております！素敵な作品を読ませて頂いて幸せです…！ありがとうございます。 (2023年4月21日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» こちらまでありがとうございます！粘菌の湿ったお話ですが、よろしくお願いします。 (2023年4月19日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2023年2月25日 13時
