3:入ってみる ページ3
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またその扉の前で十分くらいウジウジと悩んでいた。
関係者って何？大学関係者？じゃあ私はok？でもこんな辺鄙な研究室、大学関係者以外はそもそも気付きようもないでしょ。
研究室とかに所属してる人しか入れないのかな？
そんなとこで茶話会しないでよ。悩みに悩んで、とにかく一回入ってみることにした。
さっきの人が戻ってくる前に入って、何もなければまたすぐに出れば大丈夫。念の為、息をひそめて行こう。
219、220と続いて、とうとう見つけた。研究室棟B221。
抜き足差し足でドアに耳を近づけて、部屋の中の音を聞く。
何も聞こえない。
やっぱり間違えてるかも。でも折角だし開けてみよう。
そのままノブを握って、そーっとドアを開けると、こちらに背を向ける形で、机にもたれるように立っている男の人が一人いた。
『すみませーん…』
HS「っうわ！！なに？だれ？！」
ビクリと肩を揺らしたその人は、床に立て掛けてあった図鑑をガタンと蹴倒し、慌ててこちらを振り向いた。
『あ、すみません。あの、ここって粘菌研究会で合ってますか？』
HS「あ、もしかして茶話会に来てくれたの？マジで？！入って入って！いやーまさか、自発的に来てくれる人がいたなんて！」
ビックリした顔からうってかわってニコニコ近づいてきたその人は、エスコートするように手を差し伸べて、招き入れてくれた。
案内された椅子に座ろうとした瞬間、バンッと扉が開いて
TH「ホソガ！！！今女の子がこの部屋に入っていく幻覚が見えたんだけど、もしかして誰かきた？！」
と大声で叫びながら男性が入ってきた。
そして私と目が合った瞬間、それを大きく見開いて、「女の子だ…」と放心したように呟いた。
私はどうして良いか分からず
『生物学上は女です』
と返した。その瞬間、もともと部屋に居た男の人が、崩れるように笑いだした。それにつられるように、入ってきたばかりの男の人も吹き出すように笑った。
また困惑して二人を交互に見ると、
HS「ごめんね。やっぱり自分でここにくるような子だなって思って。可笑しくなっちゃった」
TH「俺も変なこと言ってごめん。このサークル人気ないし、歴代男ばっかだから、ビックリしちゃって。粘菌に興味あるの？」
そう言いながら、ドアを閉めたその人は、私に向かって手を出してきた。
『その、粘菌…モジホコリが好きで……。あの、この手は何ですか？』
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あさなさな(プロフ) - 読み返していただいてるなんて光栄です！些細な描写も見てくださり嬉しいです、ありがとうございます！ (5月17日 12時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 度々すみません、改めて読み返しております。シルバニアぷいぷいホソク先輩、ますます大好きになりました。 (5月16日 21時) (レス) @page50 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - オドンチメグさん» ありがとうございます！粘菌も含め楽しんでもらえているなら幸いです。 (2023年4月22日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
オドンチメグ(プロフ) - 菌トークの奥深さ、菌ギャグ…詳しくないのですが、笑っております！素敵な作品を読ませて頂いて幸せです…！ありがとうございます。 (2023年4月21日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» こちらまでありがとうございます！粘菌の湿ったお話ですが、よろしくお願いします。 (2023年4月19日 0時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2023年2月25日 13時
