ある日きむてひょんが弟になりました

きむてひょんが24匹 ページ26

放課後。
テテに『体育館倉庫の掃除しなきゃだから先帰って』とカトクを送って、ハルと倉庫へ向かう。




「……ねえハル。ここってこんな古かったっけ。」




グラウンドの片隅にあるこの倉庫。
なぜか木造だし、鍵穴もめっちゃ錆びれてるし。





「……なんか出そうだね…アレ。」



「ア…アレって…？」



「そ、そりゃ…お…おば…」








「…あの、」








「「ぎぃやあぁぁぁぁぁ！！！！！」」





急に背後から気配もなくかけられた声に、ハルと同時に飛び上がる。





「で、でた！でたでたでたでた！！」



「いいい言った通りじゃんっ！いやだあぁぁぁ！！」




「…いや、あの…俺人間なんで！」




「「え、」」




ハルと抱き合ってブルブル震えていたのを一旦やめて、後ろを見ると。




「やだなぁお化けだなんて！ちゃんと人間ですよ！」






……わお。イッケメンだぁ。





「そっ…それは失礼しました…」



八重歯が光るイッケメンに見惚れていると、ハルに横から脇腹を肘で突かれて慌てて謝罪する。



「いやいや！急に声かけたらびっくりしますよね！こちらこそごめんなさい。」



そう大きい体に似合わず、かわいらしくペコっと頭を下げるものだから



「ぐっ…」



不覚にも心臓がギュンギュンしてしまった。




「で、君なんで倉庫に？」



「あぁ、俺サッカー部なんすけど、コーンを取りに。一年なんでパシられて。」



私が心臓を回復している間に話を進めるハルとイケメンくん。




「あ、ちなみにここ鍵なくても開けれますよー！ボロいんで。」



そう言って錆びている取っ手に手をかけ、ギギギギと不気味な音を立てて開く扉にものともせず中に入り




「じゃあ俺はこれで失礼します！A先輩さよーなら！」



コーンを両手いっぱいに持って、最後に私にニコッと微笑んで走り去っていった。






「……なんで私の名前知ってんだろ。」



「さあ？てか思い出したんだけど、あの子、キムミンギュくんだよ！」



「キムミンギュ？」



「1年の爆モテイケメンなんだってー、グクと並ぶくらいの。」



「ぐったんと並ぶ爆モテイケメン？通りであんな爽やかなわけだ…」



「ねー爽やかだったねー」



なんて2人でミンギュくんに酔いしれながら倉庫に足を踏み入れる。






なーんかキムミンギュって聞いたことあるような…



なーんか巷のアイドルにそんな名前の人がいたような…







……まさかね。

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