うさぎマンネvsうさぎマンネの戦闘記

怖いものは怖い ページ29

…何その笑顔。単純に気持ち悪い。




「Aちゃん結構強気なんだね。そういう所も可愛いよ！」


ニタニタしながら私を舐め回すように見るストーカー。


…私今の格好完全不審者ファッションなんだけど。見て楽しいの？







「…警察に突き出されたいの？」




「…なんで僕がこんな時間にここにいると思う？」




私の質問には答えず質問で返してくる。




でも確かに…今深夜だし…そんなピンポイントでストーカーするとかおかしいよね？





「…え、まさか…」






「僕、24時間君のこと見てるんだよ？」





ゾワッ



思わず鳥肌が立つ。




やばい。こいつは本格的にやばい奴だ。







「…アンタの事、事務所に報告するから。」




ポケットからスマホを出してマネオッパに電話をかけようとする。起きてるといいんだけど。








「…そんな事していいの？」





「え？」



思わず手を止める。




「もし報告なんかしたら…他のメンバーに何するか分かんないよ？君がいつ何をしてるかなんて全部知ってるし…当然他のメンバーも把握してるし…」





「……ッ」







ハッタリだって分かってる。メンバー全員の事を把握なんてできっこないし、警察に連絡すればこっちのものだ。









…でも、万が一こいつの言う事が本当だったら？




最悪の事態ばかりが頭の中に浮かぶ。

体の震えが止まらない。









……結果、口から出たのは








「…みんなには何もしないで。」





こんな情けない一言だけだった。









「君が何もしない限りね。じゃあ、また会おうね。」



ストーカーは勝ち誇ったような笑みを浮かべて来た道を引き返していった。









…ガチャ





…みんな寝てるよね？





「…A。」




「ヒイイイイイイイイイイ…もごっ」



「シイィィィィィィ！」


背後から聞こえてきた声に叫び声をあげると、誰かに口をふさがれる。




「A！俺だよ！ジョングク！」



ジョングクか…驚かさないでよ…



ふさがれてた口が自由になる。




「ジョングク！奇襲は辞めて！」




「奇襲って…それよりA、お前どこいってた？」



…うっ



「さ、散歩…？」






「…じゃあその袋は？」


お菓子が入った袋を指さされる。



「…ん？お前震えてる？…顔色も悪いぞ。…なんかあった？」





「…ッ」



慌てて笑顔を作る。




「な、何もないよ！大丈夫！」







……笑え、私。

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