私と彼の特等席 【JM】

私の話 ページ48

私には最近悩みがある。




「ヌナ何ぼーっとしてるの？……えいっ！ちゅー」




反応に遅れた隙に、ジミンのちゅーという声と共にあっという間に重ねられる唇。






「……ちゅーって言いながらキスするのはどうかと思うよ…ジミン。」






「いいじゃん別に〜」



ふにゃふにゃ笑うジミンにもう文句なんて言えるはずがなくて。






「もう！なんでそんなにキス好きなの！？」





そう、私の悩みは





彼氏が最近キス魔になってきていること。



隙あればキス、キス、キス！



なんなの！？




何度だって言う。




なんなの！？！？







「むっ！違うよ！僕はキスじゃなくてヌナが好きなの！」





「えっ、あ、そ、そう…」





「そうだよ！何さ！人を変態みたいに！」



頰をぷくーっと膨らまして私を軽く睨んでくる。





「な、なんかごめん。」



いや、あながち変態は間違いじゃないと思う。








「……たら…す！」



すると小声で何かボソッと呟くジミン。





「え？なんて？」







「…ヌナがキスしてくれたら許す！」




「は？」





そう言ってさあ来い！と言わんばかりに目を閉じて唇を突き出してくる。






お前…これが狙いか…！！絶対怒ってないだろ！！






呆れてしばらく放置してると




「……ぬな〜…まだぁ〜？」






眉を下げて目を薄く開けて私を見てくるジミンに



「……あぁぁ！」





つい折れてしまい、半ば乱暴にその柔らかい唇にむにゅっと自分の唇を押し当てた。




そしてゆっくりと離れて目を開ける。





「…へへ、」







「ぐっ…もうこれで満足でしょ？」







「…んーん！まだ足りない！」




ジミンはニコニコ顔のまま平然とゆっくり私を押し倒してくる。






「えっ、あの、ジミン…？」



いつのまにか指を絡められて、抵抗すらできない体勢に。




あ、やばい。




ここで流されるといつものパターンだ！






「ジミン！駄目っ！おすわり！！」





足をバタバタさせながら喚いてもジミンは私から離れる気配がなくて



「足りないって言ったでしょ〜ほら、ヌナ目閉じて？」





視界に段々と近付いてくるジミンの顔と、私の服に手をかけたジミンが映った。








「…こんのっ、変態ジミンッッ！！」









私のかわいい彼氏はいつから道を踏み違えたのでしょうか。









でも、こんな悩みだって愛おしくて…ひたすらに甘くて甘い、







そんな私の日常。

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