私と彼の特等席 【JM】

ジョングクの話 ページ41

…ガチャ



あっ！ヒョン帰ってきた！




「うおっ、ジョングギ！？なんで玄関に座り込んでんだよ！」





「…ホソクヒョン！聞いてくださいよ！俺病気になっちゃったかも！！」



急いで立ち上がってヒョンに泣きつきに行く。



ヒョンが帰ってくるまでどれほど心細かったか…





「は！？病気だって！？どうしたんだ！ヒョンに話してみろ！」




「ヒョン…俺…心臓が痛いんだ…」




「し、心臓！？おい、すぐ病院行くぞ！ほかに辛い所はないか？」


そう言ってホソクヒョンが俺に靴を履かせてくる。




「あ、ある人のことを考えた時だけ心臓が痛くなるんだ…あと、なんだか熱もあるような気がするし…」






「……ある人のことを考えた時だけ？」



ホソクヒョンの、俺に靴を履かせていた手がピタッと止まった。




「う、うん。…特に、笑顔が。」






今日、俺がバス停まで案内した人。



…Aさん。




道の真ん中でテヒョニヒョンの名前叫ぶわ、人の顔見たら逃げるわ、ほんとに変な人だった。




だけど



別れ際にあの人が見せたあの笑顔がずっと頭から離れなくて、思い出す度胸がぎゅっと締めつけられる。








「……はぁぁぁ〜…呆れた…ほんと呆れた…」




するとホソクヒョンはため息をつきながら履きかけの靴を今度は脱がせてくる。





「ヒョン！？病院行くんじゃないんですか！俺、絶対心臓病だよ！」



またため息をつくヒョン。



「いいかジョングギ。お前は病気なんかじゃない。まあ強いて言うなら…」



そこで一旦溜めて





「し、強いて言うなら…？」








「……恋の病だな！」








「……は？」






「いや〜ジョングギももう中二だもんな！ヒョンは応援してるぞ〜！」



ニヤニヤしながら俺の背中をバシバシ叩いてくるホソクヒョン…いや、馬ヒョン……いや、馬。






恋だって？？




お、俺が…Aさんに…こ、恋！？





「お！？ジョングギ顔赤いぞ〜？？」




ぐっ…この人はほんと…！





「あ〜もうヒョン！黙ってくださいよ！！」









恋なんて、まだわからない。





でも






Aさん…また会いたいです。





またあの笑顔、見せてください。









.









ジョングクはまだ知らない…




数週間後…




ホソクに会いにきたAとジミンにより自分の初恋が儚く砕け散ることを…

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