私と彼の特等席 【JM】

空も飛べるはず ページ22

「ふふふふふふふふふふんふーん！！」



ただ今スキップしながら靴箱から教室へ向かっております！



本日の鼻歌はTWICEの新曲のあれだよ！




まじで空飛べそう…！！




え？なんでこんな浮かれてるんだって？




実はね…









ジミンとカトクを交換したんだよ！今朝！バスで！




ジミンのプロフィール画像なんだと思う？




セルカだよ！確かテヒョンって子とのツーショット！！


ジミンが天使なのは周知の事実だけど…あのテヒョンって子は何者なんだ…



バイト中絶対喋りかけたくないわ。人間の不平等さ感じるだけだわ虚しすぎ。









「…おいA。」






ピクッ



鼻歌とスキップを瞬時に辞めて、後ろから聞こえてきた声の方を向く。





「…ユンギ先輩。」




おう…先輩顔こわ…




「お前…半径2m以内に近づくなってどういうことだ。あれから返事も寄越さねえし。」




だって怖かったんだもん！あれからメッセージ来てたけど全部未読スルーしたし！




「いや、ジミンとの約束なんで…でもほんとに感謝してるんですよ！！私史上最高に感謝してます！」



必死に弁解をする。


ユンギ先輩がバイト紹介してくれなかったらジミンとここまで仲良くなってなかっただろうしね！





「はぁ……」



髪をわさわさしながらため息をつく先輩。





「…ジミンのやろぉ…余計なこと吹き込みやがって…」




そうボソッと吐き捨てて私に向き直る。





「いいかA。あいつは天使なんてもんじゃない。ああいうのが一番計算高いんだよ。油断してるとその内喰われるぞ。」




……は？？





「ジミンは天使以外の何者でもないでしょう！！先輩自分が純粋さを失ったからって失礼ですよ！！」



「いやお前の方が失礼だろ。」






…ピロンッ




カトク？誰からだ。




ポケットからスマホを出してカトクを開く。





「あっ！！ジミンからだぁぁ！！！」



えーと？





『今日ユンギヒョンと喋った？』





はっ！




慌てて先輩と私の距離を見る。




…大丈夫。2mは絶対ある。





『喋ってるけど距離は守ってる！』



トンッ



送信。




既読。




ピロンッ


『そっかぁ！できれば喋ってほしくもないんだけどね…』




………






くるっ




「先輩。ジミンからのお願いなのでなるべく先輩と喋りませんね？アデュー！！」



そう言い捨てて教室へダッシュ！




「ちょ、おい！A！」






「……あのやろぉ…」

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