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4月も終わりに差し掛かった頃
二宮君はその裏庭で大怪我をして病院に運ばれたまま
今も意識が戻っていない状態だった。
井ノ原先生が言うには近くに立てかけてあった木材が強風か何かで倒れて
それに彼が巻き込まれたって話だった。
だけど
潤「実際はわかんねぇけど、計画的にやられたって話らしい。つまりアイツは狙われた。
ただ、その相手が俺らもお前も知ってる理事長の息子でさ。圧力を掛けられて、だから担任もそれ以上深く追及出来ないってことらしい。
クラスの奴らだけらしいけど、このことを口外するなって言われてるみたいで、だから話題にも出なかったんだな。」
初佳「なるほどね、ちょっとでも話題に出そうものなら自分たちの立場が危うくなるってこと。生徒も、教師も。」
「ひどい………。」
潤「ただ、俺らとしてもそんだけの証拠じゃ勝てるとは思えない。決定的な何かを掴むには今は情報が少な過ぎる。」
初佳「それで、アンタはどうしたい?あたしたちはもう無関係の人間だからいいけど、まだこの学校の生徒である以上下手なことすれば自分の立場だって危うい。
勿論、あの教師や生徒と同じになってただ彼の存在を忘れて平平凡凡な日常を過ごすっていう選択肢もあるけど。」
「そんなの………。」
決まってる
初佳「何となくわかってたけど……
ニノミヤ君に会う前と比べたら
アンタ、変わったわ。」
「二宮君に……彼に会うために
入院してる病院に行って来る。」
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作者名：千也 | 作成日時：2016年6月12日 19時
