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「でね、もう毎回黒板ビッシリ書くから次教室移動の時はホンットに大変なの!前の国分先生の時は楽しかったし覚えやすかったのに…。」
和也「あ〜、やっぱクラス違うと同じ教科でも先生も変わってくんのね。俺まだ国分先生だもん。」
「いいな〜1組!担任も優しいって評判の井ノ原先生だもんね。」
和也「確か貴女ん所って木村先生だっけ?女子に人気とは言えすげぇ厳しいって。」
「男子には特にね(苦笑)、こないだは遅刻したコがいて廊下中にすごい怒声が飛び交ってた。」
和也「ま〜完璧主義だからなあの人は(笑)。」
他愛もない会話
それが許されるのも長くて1時間
たまに私が家の都合で帰りが早い時は15分も無いくらい
それでも
この時間帯だけは彼は確実に来てくれた
いや、正確に言えば"いてくれた"んだ。
どんなに私が遅くても、逆に早くても
彼はその場に座っていた
一度も 私を待たせたことなんてなかった。
このカタチが"お付き合い"なのかどうかは私にはわからなくて
ましてや彼と私の関係が"恋人"なのかも怪しくて
それでも 楽しかった
触れられなくても デートができなくても
この時間と空間だけは私と彼だけしかいなかったし
どこかで"トクベツ"感に浸っていたんだと思う
同じ場所 同じ時間 2人だけの空間
だから、どこかで自惚れていたのかもしれない
彼はいつか
私に心を許してくれるかもしれない、と。
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作者名：千也 | 作成日時：2016年6月12日 19時
