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『ね、放課後の下駄箱の掃除なんだけどさ、アタシ塾があんの。代わってくんない?』
嘘つき
「うん、いいよ。」
変わらない
2人で過ごした放課後の裏庭での会話の時間が無くなった以外は
平平凡凡な学園ライフ
あの日から2週間
二宮君とは一度も会えないままだ。
"覚えてるよ"
もう私の方が忘れそうになる
過ぎていく時間が
あれは夢だったんだよをささやいているようで
"現実見ろよ"
そう言ったのは貴方なのに
現実だったはずのあの日があの時間が
"ホントウ"であることを忘れてしまいそうだった。
あ、でも一応藤堂君はご両親にちゃんと謝罪に行ったらしい。
お母さまのご厚意でどうやら大事にはされないみたいだったけど
自分の彼女が実は二宮君に揺れてたって言う噂は本当だったみたいで
そんなくだらない逆恨みでこんな事態を招いたなんてことが理事長にバレた時は
もうすごい怒号が飛んでたみたいだって笑いながら大野さんから聞いた。
・
また1週間が過ぎる
『ね〜、今から塾行かなきゃなんだけど〜、今度は校庭掃除代わってくんない?』
嘘つき
変わらない日の、はずだった。
『あのさ、そのスッカスカのカバンのどこに、塾行くための用意が入ってる訳?』
前みたいに
心の声が漏れたのかと思った。
でも 違うの
『ま、どちらにしても無理だから。このコ、今から俺の懺悔に付き合ってもらうんで。』
この声 知ってる。
すごすごと委縮しながら掃除?へと向かっていった女生徒を見送ったら
『キスの効果…………なのかなぁ。
一字一句残らず、しっかり覚えてんの。
戻ってすぐ目覚めたと思ったら実は昨日ってのは驚いたけどね(笑)。
……………飛んでくって約束したんだけどなぁ…、
待たせてごめん。
A。』
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作者名：千也 | 作成日時：2016年6月12日 19時
