＿第８話＿ ページ8
.
「僕は途中から入団したから、その前のことは分からないけど。少なくとも、僕が入団してからのクラピカのお願いは今回が初めてだったよ。クラピカはいつも蜘蛛とはどこか距離を置いてた。だからそのクラピカから頼られることが、嬉しかったんだ」
それだけのことで、流星街に逆らっているというのか？
「団長も言ってたでしょ？僕らは仲間だって。手伝う理由、それだけじゃダメ？」
またすぐ近くで爆発音が響く。
範囲が広すぎるせいで取り逃しがいたんだろう。
コルトピも今は話している状況じゃないと判断し、すぐにどこかへ走って行った。
オレが……人殺し集団の仲間？
笑わせるな。
「……とにかく今は、村を救うのが最優先だ」
オレは村へと向かい、様子を伺う。
爆発音はここまで聞こえており、戦闘態勢が整えられていた。
「村長！」
「……何者だ！」
「私です、クラピカです！」
「クラピカ？ 知らんな」
ここから逃げてと伝えようと思ったのだが、見知った人たち全員から武器を向けられた。
女性と子供は村の奥の方へと逃げ、完全に敵視されている。
なぜ……。
「待ってください、私は助けに……」
「助け？ この騒ぎはお前がやったものだろう。今すぐこの場から消え去れ！」
違う、オレは……。
どう説明すればいい？ 何といえばわかってくれる？
動こうとしないオレを見て、何人かが緋の眼になり始める。
それを見て、カプセルに入れられた緋の眼が脳裏をよぎった。
「緋の眼……緋の眼を奪おうとしている奴らがいます！ だから逃げ……」
「村を襲撃するならば離れた所で爆破なんてして、気づかれる真似はしないだろう。2つの勢力が戦っていると考えられる。だがその2つの勢力は、我々からすればどちらも敵だ。我々を助ける者などいないからだ」
どうして……。
オレはクルタの一員だ！
「お前は今戦っているどちらかの敵だろう。どこかに逃げるよう誘導して、逃げた先で目的を果たす。違うか？」
もう会えないと思ってた人達にやっと会えたのに。
もう一度声を聞くことが出来たのに。
そんな目を……向けないでくれ……。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジユウジン(プロフ) - 雲英〜キラ〜さん» 心の中の一人称は「オレ」らしいのでそうしたのですが、やっぱり「私」の方がクラピカって感じしますよね…。主視点クラピカだとどうしても「オレ」ばかりになってしまうので、もし心の中の一人称も「私」に変更した方が良ければもう一度コメントお願い致します (2020年2月13日 0時) (
レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
雲英〜キラ〜(プロフ) - クラピカの一人称は私じゃないですか？ (2020年2月12日 23時) (レス) id: ed9f823896 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジユウジン | 作成日時：2020年2月6日 17時
