私は神じゃない【H×H】 (ページ12)

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＿第12話＿ページ12

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　お腹大丈夫かな？
　傍にいたほうが良い気もするけど、説得してきてって言われたし……。

　〝A、ユノンが言ってる師匠って眼鏡じゃない。ピエロの恰好してる奴なんだよ〟
　〝ピ、ピエロ？でも見つけたって言ったら反応したし、名前だってあってるじゃん〟

　とにかく、ユノンとは携帯があるので後で合流することにする。
　ウイングさんの後を追いつつ、ロイの話を聞く。

　〝嘘ついてんの。Aをウイングの所に押し付けて、自分一人でピエロと関わろうとしてな〟
　〝……でもさ、名前知ってるってことはウイングさんもキャラクターの1人なんでしょ？ピエロの恰好してる人に断られた時の保険のつもりだったとか。それなら私が繋ぎ止めておいた方が……〟
　〝だーかーら、ユノンはピエロと知り合えたらお前のことなんかどうでもいいって思ってんの！〟

　私の事どうでもいい？そんなことあるわけない。
　だったら一緒に旅するって言った時、少し強引にでも止めるはずじゃん！

　〝A……。とりあえず俺を信じろ。大丈夫だから〟
　〝出てってよ。なんでロイはそんなにユノンの事嫌うの？ユノンだって帰りたいって思ってるかもしれないのに、この世界で頼りになるの私しかいないんだよ？ユノンの事悪く言うロイなんか嫌い！出てって！〟

　ロイからの返事はなかった。
　出て行ってくれたかどうかは分からないが、声が聞こえなくなって一安心。
　イライラして顔を歪めてしまっていた上に、道のど真ん中で止まっていたから、周りから視線が集まっていた。

　やっばい、目立ってる……ウイングさんどこに……。

　「あの、大丈夫ですか？」
　「あ……はい。すみません」

　顔を上げてウイングさんを探そうとしたのだが、ウイングさんは目の前にいて、しかも心配してくれたのか声まで掛けてくれた。
　まさか追ってる人に声を掛けられるとは思ってなかったので、衝撃で説得のことよりもロイのことを思い出してしまう。

　私……ロイにひどいこと言っちゃった。
　どうしよう、ロイ、いる……わけないよね？
　謝らなきゃ。でもどうやって？
　ロイから戻ってきてくれなきゃ、会話を交わすことだってできないんだよ？
　もう、一生……話せないのかもしれない。

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