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_第10話_ ページ10

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 魔王になるための方法は2つある。
 1つ目は生まれたその時から魔王の力を有したもの。
 2つ目は禁忌を犯し成功させたもの。

 魔王の存在は本能的なものでわかるらしいのだが、そんなものは感じたことはないので今現在魔王はいない。
 今魔族の数が減ってきているのは魔王が長年不在にしているのも原因の一つである。



 「そうか、それならばぜひ協力させていただきたい」
 「ほ、本当ですか!?」
 「あぁもちろんだとも!儀式を行う部屋も貸してあげるから、行こうか」



 意外と快く受け入れてくれたことにびっくりしつつ、専用の部屋があるというのでそこに移動した。

 私はバカだった。
 禁忌とは忌み嫌われるもの。
 禁忌肯定派なんてそういないし、いても私欲のために使おうとする者ばかり。
 そんなことすらわかっていなかったんだ。

 地下の隠し扉をいくつか通った、奥の方にその部屋はあった。
 部屋の中は地下とは思えないほど真っ白で、真ん中に白く大きい椅子がポツンと置いてあるだけだった。



 「あの……」
 「アベル、後は頼みましたよ」
 「お任せください。女を調教するほど楽しいものはないですから」
 「え?」



 なにやら不穏な会話を耳にし、グレイスを見ると不敵な笑みを向けられた。
 一緒に付いて来ていた人に首根っこを掴まれ椅子に座らされる。



 「ちょ、なに!?辞めて!痛い、離して!」
 「力のない魔族は人間より弱い。抵抗感がないのは少し寂しいが、まぁいいだろう」



 椅子に座らされたかと思えばお腹を思いっきり殴られる。
 気絶するほどではなかったが、痛みに悶えたその隙に腕と足を椅子に拘束される。
 椅子も床に固定されているようで動こうにも動けない。



 「グレイスさん!なんですかこれ!」
 「そのうちわかるさ」
 「待って!ねぇ、まっ……」



 パシンッと乾いた音が部屋に響いた。頬がヒリヒリと痛む。
 グレイスは部屋から出ていき、私とアベルという調教師だけが残った。



 「大丈夫だよ。君がいい子にしていれば自由にしてあげられるからね」



 痛みの次は、頭を優しい手つきで撫でられる。
 アベルはコツコツと音を立てて私の後ろを歩いた。かと思えば音は止まった。
 椅子の背もたれが大きいせいで後ろを見ようにも見えない。
 ひどい不安感に襲われ涙が出てきた。


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ジユウジン(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!長い間更新できておらず申し訳ございません。説明ばかりになってしまって面白くないかもと思っていたので、このコメントはとても励みになります!近々更新いたしますので、もうしばらくお待ちください! (2020年1月31日 23時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - コメント失礼します!続きが気になります!とっても面白くて、今まで読んだことのない世界観でとても続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4c066f43b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月16日 15時

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