＿第８話＿ ページ8
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私は店を出てから全力で家へと走った。
勇者が魔王になったのは実際にあった話。
本には勇者が人間を裏切り魔王になったと書かれ、バッドエンドとして終わっていたが、実際には人と魔族を仲裁するために魔王になったので、人間側からすればハッピーエンドなのだ。
勇者は人間に手を上げる魔族を滅ぼすために立ち上がった。
だが勇者の正体もまた魔族。
勇者は力を持つ魔族だったが、力を持たない魔族は従えられても、同等の力を持つものやそれ以上の力を持つものは従わせられなかった。
逆らう魔族たちを従わせるためには、その者たちより圧倒的な力を有する必要があった。
だから勇者は魔王になったのだ。
魔王になるまでの過程で、手を組んでいた人間がどうなったのかはわからない。
本では生きて書かれているが、実際は亡くなっている可能性だってある。
あの人には魔族に関して話せることすべて話したが、話せなかったことが一つだけある。
それは魔族に伝わる禁忌の事。
家に入って、すぐに必要なものを準備し始める。
魔族以外の者にはこの禁忌の存在を知ることができない。
もし仮に話してしまったら、信じても信じなくても、聞いたものは死んでしまう。だから話せなかった。
この禁忌を知る権利がある故に魔族は力を身に着けられないとも言われている。
この禁忌は、魔力のない者でも使える唯一の魔法。
うまくいけばなんでも手に入るしなんでも思うようにいくという、神に近しい力を手に入れることができるのだ。
「材料足りないぃぃ！」
足りない材料は、暗黒大陸と呼ばれる大陸にある。
そこは魔力を持っていれば自由に行き来できるのだが、魔力の持たない私は人と同じ道を通らなくてはならい。
使っていなければ別の魔族が家に置いてあるはず……
よし、もらいに行こう！
カバンに必要なものを詰め込んで、私が唯一知る魔族の元へと出かけた。
父さん、母さん、従者の皆……ごめん！
どうしても彼と一緒にいたい。
そのためには、私も彼も守れるほどの力が欲しいの！
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ジユウジン(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます！長い間更新できておらず申し訳ございません。説明ばかりになってしまって面白くないかもと思っていたので、このコメントはとても励みになります！近々更新いたしますので、もうしばらくお待ちください！ (2020年1月31日 23時) (
レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - コメント失礼します！続きが気になります！とっても面白くて、今まで読んだことのない世界観でとても続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4c066f43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジユウジン | 作成日時：2019年11月16日 15時
