_第18話_ ページ18
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アベルさんは再び隠し通路へと入っていった。
ここから離れた場所から出て注意を引き付けるんだそう。
私は禁忌の準備に取り掛かろうとしたが、この部屋では狭すぎるため隣の部屋に移ろうと扉に近づく。
ガチャ。
「え?」
扉に手を掛けようとしたところで、扉が勝手に開いた。
目の前には扉を開けた人が立っている。
「A……?」
「あ……」
目の前にいたのは……金髪の彼だった。
彼と目があった瞬間、私の心臓は大きく跳ね上がる。
忘れていたものを思い出した。
ここに来た目的も、魔王になりたかった理由も、誰のために魔王の力を使いたかったのかも。
それと同時に、自分を呪いたくなった。
彼を忘れていたことに。
「Aっ、なんでここに……」
「シャル、誰かいたのか?」
「いや、いないよ」
彼は私を見て驚いていたが、仲間から声を掛けられると私を部屋の奥に飛ばした。
隠れてというように手をしっしとやったので、部屋の隅へと身を隠す。
彼だ、彼だ……!
匂いも、ほんの一瞬触れた手も、声も、全部彼だ!
会えた。会えたけど、まだ魔王の力を持ってない。
強くなってない……彼も、彼の仲間も守れるほどの力がない!
彼が誤魔化してくれたおかげで見つかることはなかった。
彼らが離れた直後、部屋を移動し禁忌を犯す儀式を始めた。
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ジユウジン(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!長い間更新できておらず申し訳ございません。説明ばかりになってしまって面白くないかもと思っていたので、このコメントはとても励みになります!近々更新いたしますので、もうしばらくお待ちください! (2020年1月31日 23時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - コメント失礼します!続きが気になります!とっても面白くて、今まで読んだことのない世界観でとても続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4c066f43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月16日 15時