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_第14話_ ページ14

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 「3回回ってお手」



 ……はい?


 翌日、アベルさんと共にグレイスさんの元に来た。
 本当に調教できているのかを試したいらしい。
 アベルさんには「言うことを聞いていれば今日中に魔王になって二人で逃げ出せるからね」と言われていた。



 「A」
 「あ、はい」



 アベルさんに名を呼ばれてその場で三回回り、グレイスさんの手に自分の手を重ねた。
 試すというくらいなので、多少無茶な命令が来ると思っていたので驚いた。
 そして、調教されたのは自分でも分かっていたので、命令されたらすぐに体が反応すると思っていたのだが、そういうわけでもなくコイツ頭おかしいんじゃないかと思えたことにも驚いた。



 「じゃあ次、腕一本落としてみようか」



 私が簡単な命令で戸惑ったということは、グレイスさんからしてみれば調教できていないと見れるわけで、さっきよりレベルが違う命令をしてきた。


 ど、どうしよう。これはさすがに……。


 チラリとアベルさんに目を向けるが、やれと訴えてきた。
 私はそれを見て、迷いなく使用人が持ってきた斧で自身の腕を切り落とす。
 痛みで叫びたくなったが、うるさくして殴られるのは勘弁なので我慢する。



 「ほう……。手当てしてやれ」
 「A、よくやったね。偉い」



 今度は戸惑うことなく自ら腕を切り落としたことによって、グレイスさんは1日という短時間での調教を信じることにしたらしい。
 アベルさんは私を頭を撫でてくれる。
 それで多少痛みが和らいだような気がした。


 ほら、どうせ魔王になったら腕なんて治せるし。
 今はアベルさんのためにグレイスさんを欺かなきゃ。


 雇った念能力者の治癒能力によって腕の出血を止め、包帯がまかれた。
 いきなり片腕になって行動しずらい。



 「それじゃあ今夜、禁忌を始めよう。一度やっているから手順は分かるだろうが、念のための最終確認だ。君らは席を外してくれ」
 「かしこまりました」



 グレイスさんが、室内にいる使用人たちを追い出す。
 それはアベルさんも同じことで、アベルさんは出ていく際、私に近づいて耳打ちした。



 「グレイスさんのいう事は俺の言葉だと思って受け取りなさい。いいね?うまくやるんだよ」
 「はい」



 そうして部屋には私とグレイスさんだけが残った。


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ジユウジン(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!長い間更新できておらず申し訳ございません。説明ばかりになってしまって面白くないかもと思っていたので、このコメントはとても励みになります!近々更新いたしますので、もうしばらくお待ちください! (2020年1月31日 23時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - コメント失礼します!続きが気になります!とっても面白くて、今まで読んだことのない世界観でとても続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4c066f43b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月16日 15時

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