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_第7話_ ページ7

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 さぁて、これからどうしようか。
 防衛省に渡したいものは渡したし、引っ越し準備ももうそろそろ落ち着く。
 組織についても、調べられることは調べてあの程度だからな。
 ジンがまだ日本にいるかわからないし……。
 ……うん、暇だ。


 私は家までの道のりを歩く。
 距離は結構あるが、元バックパッカーの身としては歩いている方が落ちつく。
 ちなみに車とバイクは買ったが乗る予定は全くない。



「やっべぇ!」
「もー元太君、どこに蹴ってるんですか!」



 公園の横を通っていると、サッカーボールが転がってきた。
 それを拾い、持ち主であろう子供たちを見る。
 3人で1人は女の子だ。



「ボール、返して欲しい?」
「な、なんだよ。俺らのボールだぞ!」
「取り返せたらね。一緒に遊ぼう!」



 少し大人げない、というか小学生か幼稚園生相手に何やってんだと思いつつも、暇なので混ざることにした。
 ボールを蹴りながら公園の中に入り、取り返そうとしている子供を避ける。



「お姉さんすごい!」
「歩美ちゃん、感心してる場合じゃありませんよ!」



 ずっとヘディングしてれば取れないよなぁ。しないけど。


 私はしばらくよけ続け、一旦距離を置く。
 そして歩美ちゃんと呼ばれた子はやっぱり女の子だ。
 男の子よりも先に疲れが出て、追いかけるのが遅い。



「歩美ちゃん、行くよ」
「え、え!?」



 男の子二人を避け、体勢が崩れた隙に優しく歩美ちゃんにパスする。
 それを歩美ちゃんは丁寧に足で止めた。



「歩美ちゃんナイスです!」
「歩美ちゃん、こっちこっち!」



 ボールを取った歩美ちゃんに視線が集まったので、私は横にズレてパスを呼ぶ。
 歩美ちゃんは困惑したが、すぐに笑顔になってこちらにパスしてくれた。



「あぁ! 何やってんだよ歩美!」
「ほれほれ、女子対男子だよー。いいの〜? 女子に負けちゃって」



 そう煽ってやれば男の子二人がまたボールを取りに来た。
 今度は山なりに歩美ちゃんにパスする。
 えいっと言いながらヘディングをし、変な方向へと飛んだが私がサポートしてまたパスをした。
 男の子二人はそれに翻弄されていたが、楽しそうに笑ってくれている。


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メリエリ(プロフ) - 凄く面白いです!続き楽しみに待ってますよー! (2021年6月3日 22時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2020年10月19日 21時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月21日 17時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - がんばってください! (2020年4月21日 17時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - 桜さん» 本当ですか! 更新スピード遅いですが頑張りますね、ありがとうございます! (2020年4月18日 21時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジユウジン | 作成日時:2020年4月7日 15時

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