＿第８話＿ ページ8
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「意見が割れたらコイントス、だろ？」
「いや、断る」
中立のフランクリンが提案するが、俺は絶対に連れ帰りたかったので拒否する。
団長の俺が拒否するとは思わなかったらしく、みんな驚いていた。
コインで決めるというルールを作ったのは俺だから、それを拒否するなんて普通はありえない。
「……そんなに連れて帰りたいなら別にいいね。でもワタシに面倒来たらすぐ殺す」
フェイタンが呆れたように賛成すると、フィンクスとノブナガもそれでいいと答えてくれ、連れ帰ることになった。
◇
「何か探し物？」
「うん、ほん」
「本が好きなのか？ 団長と一緒だねー。って何だこりゃ！？ 死体……だよな？」
たしか、これだったかな。
付いて来た男の人が死体に目を取られている間に、私はタンスに手を掛ける。
タンスを開けようと引っ張ってみるが、鍵が掛かっているため開かない。
思いきり引っ張ってもビクともせず、反動で尻餅をついてしまった。
その音で死体を見ていた男は私に目を向けた。
無理だと分かっていながらも、私はもう一度タンスに手を掛けた。
「鍵掛かってるんじゃないかな？ この中に本があるのか？」
「たぶん……。あけられないです？」
「ちょっと離れてて」
言われた通り離れれば、その人は足蹴りでタンスを破壊する。
すると中からは殺した女の小物が散らばり、それと一緒に2冊の本が出てきた。
男の人は本を拾い上げると私に差し出した。
「これかい？」
私はそれを受け取って、何度か口を開いたり閉じたりする。男の人は私の言葉を待ってくれた。
「えと……あ、あり……がと？ です……」
「ん？ どういたしまして」
私は一族から化け物と呼ばれていた。何度も何度も殺され、家の外に出してもらえたことは記憶に数える程しかない。
言葉も読み書きも知識も何一つ教えてもらえずに育ってきた。いや、生きてきた。
そんな私は、外から聞こえる一族の会話のみで言葉を覚え、本を声に出して読む人達から外の知識を知り、学んできた。
だから「ありがとう」が感謝を述べる言葉かどうかハッキリしていなかったが、ちゃんと返ってきたので間違ってはいなかったようだ。
そんな事情をまったく知らない男の人は、特に気にすることなく家を出ようと促してきた。
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ジユウジン(プロフ) - かかかっかさん» お待たせしました！ 実はこの先どう話をつなげようか全く思いついておらず……笑 少しずつでも進めていきますので、続編でもよろしくお願いします！ (2020年11月23日 22時) (
レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
かかかっか - 今日更新日じゃあないですかあぁーーなんて奇跡！ (2020年11月23日 13時) (レス) id: be021bd9b1 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - なつみかんさん» コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けたのは初めてで嬉しいです…！私も今後書けるのが楽しみで、早く更新していきますね！体調崩せばゆっくりできるので更新できるのでは…と考えてしまいました笑 なつみかんさんもお気を付けください！ (2020年2月13日 0時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - かわいい...優しい気持ちになれて素敵な小説です、タイトルや種族のところを考えるとなんだか不穏ですが、それも楽しみにして更新待ってます！作者さんお身体には気をつけてくださいね！ (2020年2月12日 15時) (レス) id: a4479fa504 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - うらららリンゴさん» コメントありがとうございます！クラピカや主人公組……というより原作に入るまでまだまだ時間がかかりそうなのでしばらく出てこないかもしれません……。そこまで進んだ時には、ご期待に応えられるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いします！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジユウジン | 作成日時：2019年11月14日 17時
