譲らないよ（白）

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拗ねたラウールくんをあやしていると、スマホの着信音が鳴った。
鞄から取り出し画面を見ると、「佐久間」と表示されている。






佐「Aさんよ〜ほんとに良かったねえ」

A「佐久間、本当にありがとう。たくさん迷惑かけてごめんね」

佐「そんなんお安い御用よ！てことは、俺は恋のキューピッドか！これであいつらも安心するわ！」

A「…あいつら？」

佐「あ、まあ気にしないで」

A「え、気になるんだけど」

佐「まあまあ！」

A「え〜、」



そのまま佐久間と通話していると、
嫉妬したのか、ラウールくんが手首を掴んできた。
顔を見る限り、余計拗ねさせてる。



A「佐久間には感謝しかないよ」

佐「ふはっ！また話聞かせろよ！」

A「うん！」

佐「じゃ！おっちー」


キリよく会話が終わったところで、私の手からスマホがするりと抜かれた


ラ「Aちゃん〜」

A「ごめんね、恋のキューピッドさんにお礼の電話をしてただけだから」

ラ「キューピッド？」

A「佐久間がね、ラウールくんの家を教えてくれたの。勝手に押しかけてごめんね」

ラ「佐久間先輩だったのか、気にしないでよ！確かに感謝しかないね、今度お礼言わなくちゃ」



そう言うと、正面から私をギュッと抱きしめた。
ほんと、大きいワンコみたい。
ラブラドール・レトリバーって感じかな


ラ「ねえAちゃん」

A「ん？」

ラ「今度、一緒にどこかお出かけしようね？
お花見とかしたいな〜」

A「いいね！したい！」



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こうして、溺愛してしまうほど可愛くて素直で甘えん坊のラウールくんと、ようやくお付き合いできることになったのでした。

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