譲らないよ（白）

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翔太が部屋に戻ってきて、私が寝転ぶベッドの前に跪く





渡「なあ、お風呂入ってこいよ。お湯溜めといたから」

A「ありがとう…」

渡「俺は一旦家帰るわ。着替えてくる」

A「え、帰っちゃうの」

渡「また戻ってくるから。その間風呂入ってろよ」

A「別に戻らなくても、家(うち)の着ればいいじゃん」

渡「どういうこと？俺がAの着んの？」

A「違うよー、翔太の。」

渡「…は、お前まだ捨ててなかったの？」

A「え、うん。返すタイミング無くて。」

渡「…どこにあんの？」

A「クローゼットの中。今出すね」

渡「あぁ。」






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渡辺side








むくりと起き上がったAは、
ベッドから降りてすぐのクローゼットの前にしゃがんでゴソゴソと漁り始めた。






渡「出せる？」

A「出せる。」





出しにくいなら手を貸そうとしたけど、
案外すんなりと奥から大きな紙袋が出てきた。





A「これ。」






出てきたその紙袋を受け取る。





渡「え、重た。」

A「一式入ってるから。多分」

渡「まじかよ」

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