東京卍リベンジャーズ二人の愛は茨の道【佐野万次郎】肆 (ページ7)

今日:10 hit、昨日:22 hit、合計:313,458 hit

第155話呼吸が見えるある寒い日ページ7

エマ「雪止まないね〜」

『そうだね』

会話をする度に白い息がこぼれ、凍てつくような寒さが歩く私の頬を掠る。「今日も寒いね」とエマちゃんと世間話をしながら、毎年通っている神社の階段をのぼる。
神社には先客がいて、お祈りをする女の子の背格好にどこか見覚えがあったため、私はエマちゃんと顔を見合わせる。エマちゃんが「クリスマスに神社でお祈りする奴いる？」と声をかけると、お祈りをしていた女の子はビクッと肩を震わせて、こちらを振り返った。

日向「え？エマちゃん！？Aさん！？」

エマ「やっぱヒナか！」

『こんばんは、ヒナちゃん』

まさかこんなところでヒナちゃんに会うと思っていなかったから驚いたが、「座ってお話しよっか」と言って、私はエマちゃんとヒナちゃんと一緒に近くのベンチに腰を下ろす。

日向「え！？Aさんとエマちゃんもお祈りしに来たんですか！？」

『そーだよ』

エマ「上の兄貴が毎年クリスマスにここにお祈りしに来てさ。変な奴でしょ？A姉と一緒にそれについて行ったら、なんか毎年の行事みたいになっちゃって」

日向「えー！！すごい偶然！ヒナも毎年クリスマスにこの神社来てる！」

『え、マジ？』

エマ「ウッソ！！ここにも変わり者！！じゃあさ、ウチらもっとずーっと前から出会ってたのかもね」

日向「ふふ、確かに！」

エマ「…で？何お祈りしてたの？」

エマちゃんの質問に、ヒナちゃんの表情が曇った。そんなヒナちゃんの手を握って、「ゆっくりでいいよ」と微笑を浮かべる。ヒナちゃんはグッと唇をかみしめて私の手を握り、ゆっくり口を開いた。