第174話 酸素と海と言葉の順序をソート ページ26
万次郎「オレのこと……“可愛い”って言ったこと、後悔した?」
『後゙悔゙した……』
枕に顔を埋めて、掠れた声で答える私をマイキーは「アハハ!声ガラガラ!」と笑った。
万次郎「水、飲む?」
『飲む……』
マイキーが持つペットボトルに手を伸ばせば、「口移しで飲ませてあげよっか」と、マイキーは意地の悪い笑みを浮かべた。「マイキー……」とジト目で睨めば、マイキーは「ゴメンって」と笑って、ペットボトルのキャップを開けて渡してくれた。少しだけ上体を起こして喉を潤し、「ん…」とマイキーに飲みかけのペットボトルを渡す。
万次郎「もういいの?」
『うん……』
万次郎「寒くねぇ?」
『……寒い』
万次郎「じゃあ……暖房の温度上げるか」
ベッドの端から立ち上がって、エアコンのリモコンを操作しようとするマイキーの腕を咄嗟に掴む。「どーした?」と私に顔を向けるマイキーに、私は両手を伸ばす。マイキーはどこか嬉しそうに笑って「仕方ねぇなぁ」と私の横に寝転がって、私の背中に手を回して抱きしめてくれた。そんなマイキーに猫のようにすりよって、マイキーの胸に顔を埋めれば、「珍しく甘えたじゃん。まだ足りねぇの?」と服の中に手を入れられた。その手を軽く抓って「そんなんじゃないし、これ以上は無理」とキッパリ言い切る。
万次郎「ちぇっ、つれねー」
『……マイキー』
万次郎「ん?何?」
『……ううん…なんでもない……』
年明け早々…大きな抗争が始まる気がする……それを口にしたら本当に何かが起きる気がして、私はグッと言葉を呑み込んで、そっと目を閉じた。
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れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時