東京卍リベンジャーズ 二人の愛は茨の道【佐野万次郎】肆

第159話 冬の蜜の在り処 ページ11

『初めまして。西園寺美玖琉です。夜分遅くにお邪魔して申し訳ありません』

玄関先で出迎えてくれたヒナちゃんのご両親に挨拶すると、ヒナちゃんのお母さんが「お人形さんみたいで可愛いわね〜。スタイルもいいし、もしかしてモデルさん？」と頬に手を当てて、笑顔を浮かべた。

『いえ。ただの女子高校生です』

日向「Aさん、都内有数の新学校に通ってて、すごく頭がいいんだよ！」

「まあ…そうなの？すごいわねぇ……ところで美玖琉ちゃん、彼氏はいるの？」

日向「ちょっと、ママ…！Aさんに何聞いてるの…！？」

「えー、いいじゃない」

『彼氏なら、一個下の彼氏がいます』

「やっぱり。美玖琉ちゃん、美人さんだから彼氏がいて当然よね」

玄関先で立ち話に花を咲かせていたら、ヒナちゃんのお父さんが「寒いんだから、こんなところで立ち話させたら可哀想だろう」と、ヒナちゃんのお母さんに言った。ヒナちゃんのお母さんは「ゴメンね。つい、話が弾んじゃって……さあ、あがって。今、温かい飲み物用意するわね」と家の奥へ入っていった。
「どうぞ」とスリッパを用意してくれるヒナちゃんに、「ありがとう」とお礼を言って、「お邪魔します」と家の中にあがらせてもらう。
案内されたヒナちゃんの部屋は、いかにも女の子って感じの可愛らしい部屋で、私の部屋とはまた違う雰囲気で、すごく新鮮に感じた。

『ヒナちゃんのお母さん、可愛いね。気さくで話しやすいし』

日向「なんかすみません…」

『ううん。こっちこそゴメンね』

日向「いえ…！本当に気にしなくて大丈夫ですから…！マイキー君には、連絡しましたか？」

『うん。メールしといたけど……多分、タケミっちとの話に夢中で気づいてない…』

ムスッと携帯の画面を見つめる私に対して、ヒナちゃんはどこか楽しそうな笑みを浮かべている。「何でそんな楽しそうなの？」と聞けば、ヒナちゃんは「Aさんとマイキー君、そっくりだなぁと思って」と答えた。

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