第150話 酸性インクのラブレター ページ2
万次郎「マフラー?」
『うん』
万次郎「開けていい?」
『うん』
マイキーはベッドに腰を下ろして、紙袋から箱を取り出した。ラッピングを解くマイキーを横目に、私はマイキーが選んでくれた方の服に着替える。
万次郎「おっ、白だ」
『黒と迷ったけど、黒持ってた気がしたからアイボリーにした。でも、まさかプレゼントが被るなんて…思わなかった』
万次郎「いいじゃん。オレは嬉しいよ。ありがとな、A」
『こちらこそありがとう、マイキー』
さっそくマイキーにもらったマフラーを巻いて「どう?似合う?」とマイキーの方を振り返れば、マイキーは「うん。可愛い」と笑顔を浮かべた。
万次郎「A、オレにも巻いてー」
『えー…仕方ないなぁ』
マイキーからマフラーを受け取って、ベッドの端に腰掛けるマイキーの前に膝立ちをする。マイキーの首にマフラーを巻いて「大丈夫?苦しくない?」とマイキーの顔を見上げれば、マイキーは「うん。平気」と立ち上がった。
万次郎「行けるか?」
『うん』
万次郎「てかさ、A」
『ん?』
万次郎「もうちょい暖かそうな格好できねーの?見てて寒そう」
『寒くないよ。モコモコのアウター羽織るし、手袋もするし、ニーハイブーツ履くし』
万次郎「今日寒ぃよ。雪降るし」
『寒くなったらマイキーにくっつくからいい』
そう言って、マイキーの腕に自分の腕を絡ませて、ピトッとくっつけば、「もう寒くなってんじゃん」とマイキーは笑って、少し屈んで私に触れるだけの口付けを落とした。
『今日どこ行くの?』
万次郎「んー……内緒」
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れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時