第158話 愛すべききみの悪いとこ ページ10
五条「Aー、風呂沸いたよ」
『…………』
五条「え、何その目…」
高専から帰宅したAの顔色が少し悪かったため、部屋で休ませて、食事の支度と風呂の支度を同時に行う。風呂が沸いた合図の音楽が鳴り、寝室に居るAを呼びに行けば、ゴミを見るような目で僕のことを見てきた。
『……一緒には入らんからな』
五条「元から入るつもりないけど?ご飯作りかけだし……てか、そんな考えが過ぎるってことは……期待してたってことかな?僕からのお誘いを」
口元に笑みを浮かべて、ヘッドボードにもたれるAの元へ移動し、Aの顎を掴んで上を向かせる。Aのことだから、眉間に皺を寄せて僕を睨みつけてくると思ったが、Aはジーッと僕のことを澄んだ瞳で見つめてきた。
五条「なぁに?もしかして……キスのおねだり?それとも、それ以上のことをお望みなのかな?」
『……そうやって言ったら、どーするん?』
プツン。
僕の中で何かが切れる音がした。Aの顎を掴んでいた手を離し、素早くAを組み敷けば、Aは大きな瞳をこれでもかってくらい見開いた。
『え…ちょ……さ…悟…?』
五条「……ほんと…オマエは素直じゃないね……僕に構ってもらいたいなら素直にそう言えよ」
『え…いや……じょ…冗談やって。硝子さんが“まだ安静にしてろ”って言ってたし、また悪化したら悟にも迷惑かけるやん?だから……』
五条「何今更ビビってんの?誘ってきたのはオマエだろ?……自分の発言には責任持てよ」
『っ……』
怯えるAに舌なめずりをして、顔を近づけると、Aは固く目を瞑り、体をこわばらせた。そんなAに「なーんてね!」と笑いかければ、Aは恐る恐る目を開けた。
五条「今日はやめとくよ。無理矢理は趣味じゃないからねー。だから、そんな怯えないでよ」
よしよしとAの頭を撫でれば、Aは「うっ…」と目に涙をため、僕は「え゙」と動きを止める。
五条「A…?」
『こ……怖か…ったぁ……!』
五条「え、ちょ…A…!?なんで泣くの…!?」
『だ…だって……悟…すごく怒ってるからぁ…!!』
五条「怒ってない!怒ってないよ!?」
本格的に泣き始めたAを僕は「ごめんごめん。意地悪しすぎたね。僕が悪かったから泣かないで」と抱きしめる。
なかなか泣き止んでくれないAのご機嫌取りに勤しんだというのは、ここだけの話にしておこう。
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セシル(プロフ) - ityeveさん» ityeve様初めまして。いつもありがとうございます。こちらではお答え兼ねますので個別でメッセージを送らせて頂きます。 (1月4日 10時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ityeve(プロフ) - 初めまして、色々な作品を拝見させて貰っていますがどれも本当に大好きです!移行先を教えて頂いてもよろしいですか? (1月3日 4時) (レス) @page28 id: 1f8c14fd9f (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - プスメラウィッチさん» あくまでも原作沿いで進めたいので、今後の展開によりますが、必ず再会はさせます (2021年6月3日 9時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟は助けて欲しいです。後、五条悟と夢主ちゃんと再開して欲しいです。五条悟を早く助けて欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月3日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ミラさん» ありがとうございます!いよいよ地獄の渋谷編です(T_T)夢主の性格上死にかねないですよね(遠い目)全てをすっ飛ばして再会させてあげたいのが本音です。ミラ様の望む展開に進めるか分かりませんが、頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^* (2021年1月26日 17時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年1月21日 23時