第161話 嘘じゃない言葉の紡ぎ方 ページ13
理解が追いつかなかった。
一般人が“悟を連れてこい”って訴えてる…?非術師が悟のことを知っているわけがない。言わされているに決まってる。
『“帳”は壊せないの?』
五条「難航してるって。なんせ、“帳”自体は術師を両側から拒絶しない。力技でどうこうできそうにないってことは、“帳”を降ろしてる呪詛師を探して仕留めた方が早い」
『だ…だったら……悟が外で呪詛師探して、そいつらを仕留めれば……』
五条「残念だけど、上が被害を最小限に抑えるため、僕単独での渋谷平定を決定した」
『…………』
上の決定と聞いて、それ以上何も言えなくて、私は制服のスカートを握りしめて、顔を俯かせる。そんな私に小さくため息をこぼして、「準備が出来たなら行くよ。途中までは送ってくから」と私の愛刀を肩に担いで、踵を返した。私は、慌てて悟の手を握り、悟が部屋を出るのを引き止める。
五条「A…?」
『……さ……悟が…1人で“帳”の内側に行く必要なんてない……今から呪詛師を探して、“帳”を解除させれば……』
五条「A、オマエはバカじゃないから状況をちゃんと理解してるだろ?」
『い……行かないで……行っちゃダメ……』
この手を離したら最後……悟にもう二度と会えない気がして、私の手は自然と震えた。呼吸もどんどん苦しくなってきて、涙で視界が歪んだ。悟は担いでいた刀を床に起き、「大丈夫。大丈夫だから、落ち着いて。A」と私のことを抱きしめてくれた。
五条「Aは僕が負けると思ってるの?」
『お…思ってへん…けど……さ…さっきから……嫌な予感がして……』
五条「Aのことは待たせてばかりだけどさ……今回もちゃんとAの元に帰るから、僕のこと信じて待っててよ」
「ね?」と笑う悟に、私はただ頷くことしかできなかった。こぼれ出した涙を拭う私を悟は「泣き虫」と笑って、私に触れるだけの口付けを落とした。
五条「オマエこそ、無茶して大怪我しましたとか言ったら怒るからな。七海がいるんだから、七海を頼れよ。Aに怪我させたら殺すとでも言っとけば、嫌でも動くだろ」
『七海が聞いたら怒りそうやけど、伝えとくわ』
第162話 祈るように君の涙を拭う→←第160話 長い長い夜のはじまりはじまり
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セシル(プロフ) - ityeveさん» ityeve様初めまして。いつもありがとうございます。こちらではお答え兼ねますので個別でメッセージを送らせて頂きます。 (1月4日 10時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ityeve(プロフ) - 初めまして、色々な作品を拝見させて貰っていますがどれも本当に大好きです!移行先を教えて頂いてもよろしいですか? (1月3日 4時) (レス) @page28 id: 1f8c14fd9f (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - プスメラウィッチさん» あくまでも原作沿いで進めたいので、今後の展開によりますが、必ず再会はさせます (2021年6月3日 9時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟は助けて欲しいです。後、五条悟と夢主ちゃんと再開して欲しいです。五条悟を早く助けて欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月3日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ミラさん» ありがとうございます!いよいよ地獄の渋谷編です(T_T)夢主の性格上死にかねないですよね(遠い目)全てをすっ飛ばして再会させてあげたいのが本音です。ミラ様の望む展開に進めるか分かりませんが、頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^* (2021年1月26日 17時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年1月21日 23時