呪術廻戦 愛おしく思う気持ちのままに、あなたを愛せますように 肆 【五条悟】

第166話 跋扈する言霊 ページ18

妲己「わっちに“五条悟を救え”じゃと？面白いことを言うな」

『……オマエは、うちの命令には逆らえんはずや』

妲己「そうじゃな。わっちはお主には逆らえん。それが分かっておるから、お主も“お願い”ではなく、“命令”という言い方をしたんじゃろう？」

『分かっとるんやったら……』

妲己「お主の命令には従ってやる。だが、タダでというわけにはいかん」

『はぁ？』

妲己は「そう怖い顔をするな」と眉間に皺を寄せる私の肩を叩いた。少しの沈黙のあと、「A……お主、自分を犠牲にして五条悟を助けようとしておるじゃろ」と鋭い視線を向けてくる妲己に私は目を見開く。

妲己「“うちの体は好きに使っていい”というお主の言葉がどうも引っかかってのう……例え自分が死んでも、五条悟を救えるならそれでいいと考えておるではないか？」

『……だったら何？オマエには関係な……』

私の言葉を遮るかのように、妲己は私の両頬を片手で掴み、「ならぬ。わっちの許可なく死ぬことは許さん。お主には、わっちが飽きるまで嫌でもこの世界を生きてもらう」といつになく低い声で言った。妲己の言葉に驚き、目を丸くする私に妲己は微笑を浮かべ、私から手を離した。

妲己「わっちから提示する条件は、“お主が死なぬこと”じゃ。入れ替わるタイミングもわっちが決める。異論は認めぬぞ」

『……悟……助けてくれるん…？』

妲己「不本意じゃが、お主の命令じゃからのう。それに、奴が居なくなっては世界の均衡が崩れて面倒なことが起こる。まぁ、わっちには関係ないことじゃが───五条悟を助けるぞ」

『うん……(いつも助けてもらってばかりだから……今度は…私が悟を助ける番……絶対…助けるからね…悟)』

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