淡雪の世界に溶け込む−1 ページ12
『───ねぇ』
五条「ん?」
『どういう風の吹き回し?』
五条「何が?」
『…………』
不思議そうに私のことを見る割には、口元が緩んでいる悟に、私は顔を顰める。
絶対なんのことか分かっとるくせに……白々しい態度とりやがって……。
フツフツと沸き起こる苛立ちを抑え、わざとらしくため息をついて、「今まで出張に同行させてくれたことないやん」と告げれば、「“雪が見たい”って、家で駄々こねるから連れてきてあげたんだよ」と悟はヘラっと笑った。
『駄々なんかこねてないし………“雪景色が見たい”って話しただけやん』
五条「寒がりのくせに雪が見たいとか、矛盾してない?」
『寒いのは嫌。でも、雪景色は好き』
五条「ふーん……まあ…たまたま出張先が富山だったし、雪を見るにはちょうど良かったからね。それに、僕と出かけられて嬉しいでしょ?最近、デートもご無沙汰だったし」
『……嬉しくない。寒いし、歩くの疲れたし、もう帰りたい』
五条「うわぁー、可愛くねー」
顔だけこちらに向けて、ゲンナリとした表情を浮かべる悟を一瞥して、「それにしても……雪…多すぎん?」と新しい話題を振れば、「そりゃあ、山の中だからね」という答えが返ってきた。
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セイラ - すみません、こちらの方から失礼します。 東京リベンジャーズの、二人の愛は茨の道の方のパスワード教えていただいてもよろしいですか?! (2022年3月3日 23時) (レス) id: 776270c83e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2022年2月24日 20時