第5話 罪深き理性よ、私に罰は与えられぬ ページ6
杏野「A」
『ん？』
杏野「呼んでんで」
雅が顔を顰めながら指差す方へ視線を向ければ、教室の入口に名前も知らない男が立っていた。またかとうんざりしながら席を立てば、「うちが断ってこようか」と雅は言った。それに対して「ええよ、別に。こんなん慣れっ子やから」と返して、男の元へ向かう。
要件を聞けば、「ここじゃ、あれだから」と言われ、男のあとに続くがまま人気の少ないところへ移動した。
『……で、何なん？うち、あんたが思っとるほど暇やないねん。用があんならさっさと済ませて。はよ帰りたいし』
苛立ちを包み隠さず淡々と言葉を並べれば、男は「じゃあ、率直に」という前置きのあと「俺と付き合ってください」と頭を下げた。
期待を裏切らないとは、まさにこのことだと思った。こっちはお前の名前もクラスもわかへんのに……どうせ噂を鵜呑みにして、告白してきたんやろ。ほんま感心するわ。
そんなことを頭で考えていたせいか、ボーッとするうちに、目の前の男が「返事、聞かせてください」と急かしてきた。
めんどいけど、断る方がめんどいため「ええよ」と答えようとしたが、今朝の治くんとの会話が頭をよぎり、言葉が詰まった。
『………』
“お前が変わったのは、“自分のせいや”って、侑は自分を責めとったで”
『……ごめん…無理やわ。名前もわからんような奴と付き合えへん』
「な…何で…！？今まで告白してきた奴のこと、断ったことないんやろ…！？」
『それは断って揉めるのがめんどかったから。どうせ、相手を好きになることなんてないんやったら、最初から付き合わんほうがええやん……それと、外見しか見てへんクズはお断りや』
思っとることを全部口にすれば、図星をつかれたからだろうか、目の前の名前も知らない男は逆ギレしてきた。
あー……明日は反対側の頬にも湿布を貼ることになるな。
一発は覚悟をして目をつぶったが、なかなか痛みがやってこない。恐る恐る目を開ければ、見慣れたエンジ色のジャージが視界に広がった。
『え……侑…くん……？』
侑「…………」
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (
レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2018年7月18日 12時
