第4話 怯えたねずみのように身震いする ページ5
『治くんのアホ……人格ポンコツ野郎は言いすぎやろ……そら…侑くんかて冷たい時もあるけど、そんなしょっちゅうちゃうし……むしろ、うちにはいつも優しかったし……なんなら、治くんより侑くんのが優しいし……』
ため息をこぼしながら、お目当ての飲み物のボタンを押して、出てきたパックジュースを取り出す。次の授業はサボるかと考えながらストローをさしてジュースに口をつけた瞬間、後ろから名前を呼ばれた。振り返るとそこにいたのは侑くんと同じバレー部で、学年は一つ上の先輩である北さんとアランさんだった。次は体育の授業なのだろうか。二人は体操服に身を包んでいた。
笑顔で手を振るアランさんとは裏腹に、相も変わらず表情一つ変えずに近づいてくる北さんに、背中に嫌な汗が流れた。
あかん……目合わせたら殺される……。
咄嗟に視線を逸らすうちに「どうしたん？」と、アランさんは不思議そうに首をかしげた。その横で北さんは、無表情且つ冷静に「A」とうちの名前を呼んだ。
『な、何ですか？』
北「次の授業、サボろうとしてるやろ」
『！！！』
北「“ここから教室まで戻るのめんどい”。“どうせ次は苦手な古文やし、サボってもええやろ”」
何でバレんねん…！！エスパーか！この人は！！
北「次の授業が始まるまであと3分。ここから2年の教室まで走れば、始業までには間に合う──違うか？」
『お……おっしゃる通りです…！直ちに教室に戻ります…！お二人共、失礼します…！』
北さんとアランさんに頭を下げ、うちでは考えられへんくらいのスピードで、教室へ向かった。息を切らしながら教室に戻り、自分の席につけば、前の席に座る倫太郎が「絶対サボると思ってた」と目を丸くして言った。「北さんに会ったんよ」と告げれば、倫太郎は「あー」とどこか納得した声をもらし、「ご愁傷様」とうちに向かって両手を合わせた。
第5話 罪深き理性よ、私に罰は与えられぬ→←第3話 もっとも肝要であるべきこと
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (
レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2018年7月18日 12時
