ハイキュー！！ 世界が好きになる訳でも嫌いになる訳でも【宮侑】

第24話 あなたでもセンチになることってあるのね ページ25

治「気づいとったんか」

杏野「それはどっちの意味や？うちの後をつけてたことか？それとも──治がAに惚れとることか？」

治「──どっちも」

杏野「答えは……最初からや」

得意気に答える杏野に顔を顰めれば「侑とDNA一緒やからな。治もわかりやすいねん」という聞きたくもない言葉が返ってきた。

杏野「Aがもうちょい鈍感やなくて、侑離れが出来れば、治にも勝算あるんやけどなぁ──うちが協力したろか？」

治「いらん」

杏野「まぁ、そういう答えやわな」

自嘲気味に笑う杏野に「ツムに協力したれや」と、地雷を踏み抜く覚悟で告げる。

杏野「アホ。簡単により戻ったらおもろないやろ。侑には、もうちょい苦戦してもらう」

治「──ツムの事、許したってくれんか？あいつ、バカで真っ直ぐで……バレーとAの事しか考えとらんのや。Aと別れた事、ずっと悔やんどるんやで」

杏野「悔やむくらいなら、最初からやんなっちゅう話や」

治「お前、北さんの親戚かなんかなん？」

杏野「北さんに比べたらかわええもんやろ。うちかて、あの人に口で勝てる自信はない」

治「いや、ええ勝負やで」

杏野「──治は、ずっと傍観者でおるつもりなんか？気持ち、伝えんの？」

治「今更、俺に出来ることはないやろ。今まで通り、俺は2人の中間役や」

杏野「Aが執着する相手、お前やったらよかったのにな──で？なんでお前はうちの後つけてきたん？」

治「──Aが泣きそうな顔で心配しとったで。それ伝えに来た」

杏野「さようか……ほな、教室戻ろか」

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