第21話 浅薄ゆえ暴徒 ページ22
杏野「久しぶりやなぁ、侑。相変わらず、腹立つ顔しよるなぁ」
侑「久しぶりに会うたのに第一声がそれか？相変わらず、性格の悪い女やなぁ」
杏野「嫌やなぁ、侑。性格の悪さはお互い様やろ？とりあえず、はよAから離れろ。その汚い手でAに触んな」
侑「何言うてん、杏野。俺の手は清潔そのものやで。お前こそ、いっつもAに付きまとって、Aが迷惑しとんの気づけんのか？ええ加減にせえよ」
杏野「侑、自覚ないんか？付きまとっとんのは、お前やで？別れたくせに、未練がましいにも程があるわ。失せろ」
侑「お前、表出るか？」
杏野「うちに敵う思っとるんか？泣かすぞ、コラ」
ニコニコと笑顔で、お互いを罵倒し合うツムと杏野に、侑の近くにおるAはみるみる顔を青ざめさせていった。ついでに言うと、ツムの向かい側に座っとる銀も──このまま、二人を放っておいたら、殴り合いの喧嘩になりかねない。まあ、それはどうでもええ。そんなことより、俺はもう腹が減って限界や。
治「お前ら、その辺にせえよ。俺は腹が減った。昼飯ん時まで喧嘩されたら、飯がまずなるやろ」
俺の一言で、口論を繰り広げていたツムと杏野はバツ悪そうに顔を逸らし、ツムは元の位置、杏野はツムから一番離れた銀の隣に座った。
『治くん、助かったわ。ありがとう……うちじゃ止めれへんかったから』
治「せやから、1人で行け言うたんや。ツムと杏野の仲の悪さを考えたらわかるやろ」
『……うちのせいで……みんな、気悪させてしもたやろうか』
あからさまに落ち込むAに、深いため息がこぼれる。何かフォローのひとつでも入れた方がええなと思った矢先、Aの隣に座っとったツムが「Aの弁当、相変わらず美味そうやなぁ」と、先程までのやり取りが嘘かのように、明るい笑顔で話しかけた。
『そう言えば……侑くん、玉子焼き好きやったよね。食べる？』
侑「食う食う！」
そーいや……1年の頃にもこんなことあったな──。
治「……やっぱ、ツムには敵わんわ」
『治くん、何か言うた？』
治「何でもない──A…俺も玉子焼きと唐揚げとたこさんウィンナーが食べたい」
『はぁ！？うちのおかず全部食う気なん！？』
第22話 肌身を刺すつめたさ→←第20話 風が吹くたびに水面が細かな波紋を広げていく
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (
レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2018年7月18日 12時
