第20話 風が吹くたびに水面が細かな波紋を広げていく ページ21
治「何で2人で食べへんの?」
『だ、だって…!侑くん、うちが誘った途端フリーズしてもうたんやもん!2人で食べるの嫌やってことやろ?せやからみんなで食べよって……』
──最悪や……せっかくツムのご機嫌取りをしよう思ったのに……完全に失敗や。Aだけやなくて、俺らまで行ったら意味無いやん。しかも──。
角名「お前、よくついてきたな」
杏野「しゃーないやん。Aの頼みやから」
角名「頼むから喧嘩だけはするなよ。お前ら2人の喧嘩はバイオレンスすぎて、心臓に悪い」
杏野「それは保証できんな。顔みたら蹴飛ばしてまうかもしれん」
角名「笑顔で言うな。ほんと怖い」
これや──このまま屋上行って、杏野とツムが顔合わせたら見えないゴングが鳴るに決まっとる。能天気で鈍感なAは「治くん、ドア開けてな」と言って、俺の背中押してくるし、ほんま勘弁してくれ。
治「いや、お前が先行けや」
『き、緊張して無理……お願い、治くん』
顔の前に手を合わせて、困ったように眉を下げるAに、それ以上何も言えず、俺はため息をついて屋上に繋がるドアノブに手をかける。扉を開けて、屋上へ入れば、そこには既にツムと銀の姿があり、ツムは俺の姿を捉えた途端、不機嫌そうな表情を浮かべて、俺から目を逸らした。
なんやねん、感じ悪いな──そんなツムも、俺の後ろから顔を覗かせたAが「侑くん…!」とツムの名前を呼べば、さっきまでの表情が嘘かのように、笑顔でAの名前を呼んだ。
『ごめんね。誘っといて待たせてもうた』
侑「かまへんよ。俺らもさっき来たばっか……」
Aと楽しそうに話しとったツムは、角名の後に入ってきた杏野を見た途端、動きを止めた。
この時、見えないゴングの鐘が辺りに鳴り響いた気がした。
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2018年7月18日 12時