第2話 身形のうつくしきや物悲し ページ3
杏野「A！！？どないしたん、その頬！！めっちゃ腫れとるやん！！」
頬に湿布を貼る私を目にした途端、親友の杏野雅が血相を変えて駆け寄ってきた。私はそれを横目に、カバンを乱雑に放って、席につく。
『別に…男と揉めただけ……些細なことで喧嘩になって…“うちとつり合うくらいの顔に整形してこい”言うたら“調子のんな、ブス”って殴られた』
杏野「Aの言い方にも問題あるけど、女に手あげる男のが有り得へんな」
『うちから言わせてもらえば、外見に騙されて寄ってくる男が悪い』
杏野「ほんまAは男運ないなぁ。めっちゃ、モテるのに」
『……侑くんだけは違う』
宮侑くん……彼は本当にいい人だった。部活で忙しいのに、いつもうちに気を遣ってくれて……侑くんは何も悪くないのに、うちかて気にしてへんのに「時間作れんくてごめんな」って謝ってくれて……部活で疲れとるはずなのに、どうせ明日になれば学校で会えるのに、部活が終わったら必ず電話をくれた……すごく幸せだった。それなのに、学年が2年に上がると同時に別れを告げられた。
理由は怖くて聞けなかった。だから、本当のことはわからへん……けど多分、うちと付き合っとること自体がめんどくさくなったんやと思う。
『……ねぇ』
杏野「どうした？」
『うちって…めんどくさい女なんかな』
杏野「何言うてん。うちが男なら、絶対Aと付き合っとるわ。うちは、Aの性格も口の悪さも全部ひっくるめて、Aが好きやで」
サラッとカッコイイことを言う雅に「贔屓目入りすぎやろ」と突っ込む。その時、教室の外が突然騒がしくなった。何事や思ったけど、教室に男子バレー部の部員たちが入ってきたのを見て、そういうことかと納得する。
『相変わらずの人気っぷりやなぁ』
杏野「よう飽きもせんと毎日毎日……うるさてかなわん」
顔を顰める雅を横目に、朝練終わったんやなぁと他人事のようにバレー部が席につくのを眺めていたら、教室の外から「A」と名前を呼ばれた。
『え……』
侑「おはよう」
教室のドアのところから笑顔でこちらに手を振る侑くんに、思わず目を丸くしてしまう。
うちに手振ってくれとるんか…？
一応後ろを振り返って誰かおるんやないかと確認すれば、「A言うたらお前しかおらんやろ」と、教室に入ってきた治くんに突っ込まれた。それもそうかとぎこちなく手を振り返せば、侑くんは満足したのか、自分のクラスの方へ行ってしまった。
第3話 もっとも肝要であるべきこと→←第1話 とある男の独白
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (
レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2018年7月18日 12時
