第16話 能なき大人、舌先三寸 ページ17
角名「珍しい事もあるもんだな」
治「何がや」
角名「俺は、侑がAを助けると思った。実際、あいつ動いてたし」
治「そんなもん、俺がたまたまツムよりAの近くおったからに決まっとるやろ。変に怪我して、ツムの機嫌悪なったら最悪やん」
角名「……俺にはそうは見えなかったんだけど」
含みのある言い方の角名に若干の苛立ちを覚え、「回りくどい言い方せんとはっきり言うたらどうや」と告げる。すると、角名は足を止め、真っ直ぐに俺のことを見つめた。
角名「じゃあ、この際だからはっきり言わせてもらうわ。治──Aの事が気になって仕方ないんだろ」
治「は?」
何言うてんコイツ……アホちゃうか…?
「いきなり何やねん。話が飛躍しすぎてついてけれへんわ」と冷静に返すが、角名もいつも通り表情一つ変えへんから思わず顔を顰めてしまう。
角名「侑とAが付き合ってた時も、Aが侑と別れて落ち込んでた時も、治の視線の先にはいつもAが居た」
治「いや、ちょっと待て……何言うてんねん、角名。冗談も大概にせえよ」
角名「言っとくけど、気づいてないのは自分だけだからな……侑も何となく察してると思う。俺みたいに確信はないだろうけど、あいつはA関連のことには敏感だから」
治「……ほんまか?」
角名「嘘ついてどうすんの」
治「………」
角名「Aは鈍感だし、侑のことしか見えてないから苦労すると思うよ」
治「思っきり脈なしやんけ。わかっとるけど……つか、俺は別にAのこと好きとちゃうわ」
角名「口ではなんとでも言えるって言葉知ってる?」
治「………」
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セシル(プロフ) - Ruuさん» 完全にごちゃごちゃになっていますね。修正します。 (2020年12月1日 23時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - お話はすごくいいのですが途中から角名が関西弁になっているのがどうしても気になって... (2020年3月11日 3時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - お、治くん、、、むくわれて欲しいです、、 (2020年3月4日 18時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2018年7月18日 12時