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第259話 林檎と空虚な罪 ページ11

ドラケンのバイク屋から駅へ向かう途中、マイキーのバブの排気音が聞こえたため、私は足を止めて振り返る。それからすぐバイクに乗ったマイキーが姿を現し、少し鋭い目付きで私の事を見据えた。

『マ…マイキー……』

万次郎「…………」

背中に嫌な汗が流れた。もしかして……ドラケンのお店に寄ったことがバレてる……?
名前を呼んでも反応がないマイキーに不安になっていると、マイキーの手が私の頭に乗せられ、私は目を丸くして、マイキーの顔を見上げる。

万次郎「心配しただろ、バカ」

『ゴ…ゴメン……』

万次郎「起きたら隣にA居ねぇし、春千夜達も行き先知らねぇって言うし、マジで焦った」

『ゴ…ゴメン……マイキー…まだ寝てたから起こすの悪いと思って……すぐ帰るつもりだったから…連絡しなかったの……』

震える手を胸の前で握りしめると、マイキーがその手を取って、私の目線に合わせるように体を屈めた。

万次郎「別にオマエの事、責めてるわけじゃねぇから。今度から気をつけろよって話」

『…………うん』

万次郎「Aの母ちゃん、元気だった?」

『えっ……』

万次郎「実家、行ってきたんだろ?」

『あ……うん……元気だったよ』

マイキーは、私を少し見つめたあと、「そっか」と小さく笑って、私の頭にヘルメットを被せてくれた。「帰るぞ」と言われ、私は「うん」と首を縦に降って、バイクのケツに乗り、マイキーのお腹に手を回す。

万次郎「……A」

『ん?』

万次郎「オレに隠し事はナシだからな」

『…………うん……わかってるよ』

ゴメンね…マイキー……やっぱり、本当は気づいてるんだよね……私の事を思って、気づかないふりしてくれるんだよね……あなたの優しさに甘える狡い私を────どうか許して。

第260話 やわらかく落ちていく→←第258話 光の群れからはぐれてしまった



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ひめか(プロフ) - 面白くて見てたら更新停止(泣)続きが出てくるのを待ってます! (10月20日 0時) (レス) id: d30a0c4a49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに読みに来たのですが、完結までの続きを読めるのゆっくり待ってます (2023年2月2日 23時) (レス) @page12 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
らる - 何回読みな返したか分からないくらい大好きな作品です! (2022年10月23日 21時) (レス) @page12 id: 2d3739eeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆいみ - Twitterの事とかなんにも知らなくて、けどこの作品すごく好きなのでまた見られるようになって嬉しいです! (2022年3月25日 12時) (レス) @page7 id: 4903ed4ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2022年3月21日 20時

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