episode3 わたしの存在が壊されてゆくのです ページ3
スバル「本当に何ともねぇのか？」
『うん』
ライト「青い瞳じゃないAちゃんって何だか新鮮だねぇ。アヤトくんとビッチちゃんは見た事あるんだっけ？金色の瞳のAちゃん」
アヤト「あぁ…」
ユイ「う、うん。一度だけだけど」
ライト「へぇ……まぁ、金色だろうがサファイアだろうが、Aちゃんの可愛さは変わらないけどね。んふ。あぁ…Aちゃんって何でこんなにも可愛いんだろうね」
スバル「義妹を口説いてる場合かよ、変態」
ライト「だって、Aちゃんが可愛いのは事実でしょ？スバルくんだって本当は思ってるくせに、素直じゃないなぁ」
スバル「あぁ！？」
ライトの挑発にまんまとのせられたスバルは、近くにあった椅子を蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた椅子は無残に壊れ、いつものようにレイジお兄ちゃんに叱られた。
シュウ「…始祖の力が暴走してるってわけでもないんだろ？」
『たぶん……いつもと何も変わらないから、アヤトに言われるまで気づかなかったくらいだし……』
カナト「サファイア・アイの輝きを奪われたということでしょうか？」
レイジ「何にせよ、瞳以外Aの体に異常がない事が幸いですよ」
アヤト「だからって、このまま放っておけねぇだろ」
レイジ「もちろんです。念の為、父上に報告しておきましょう。父上なら、何か分かるかも知れません」
『や、やめて…！！お父様には言わないで…！！』
突然声を荒らげた私に、兄達とユイさんは揃いも揃って目を丸くした。私の言葉の意味をいち早く理解したのはシュウお兄ちゃんとレイジお兄ちゃんで、シュウお兄ちゃんは深いため息をついて、私の隣に腰を下ろした。
シュウ「サファイア・アイを失ったお前を親父が捨てるとでも思ってるのか？バカバカしい……あの娘離れのできない親父がお前を手放すわけないだろ」
『で、でも…！それは今まであの目があったから……私の価値なんて……』
シュウ「A、それ以上下らないことを口にするなら、いくらお前でも許さないからな」
『っ……』
有無を言わせないシュウお兄ちゃんの言葉に顔を俯かせることしかできないでいると、シュウお兄ちゃんは再び深いため息をこぼして、私を自分の膝の上に乗せた。
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作者名：セシル
| 作成日時：2017年10月26日 7時
