episode2 これが夢なら醒めてくれ ページ2
「おい……A……おい、A…！」
『！』
意識が覚醒して慌てて飛び起きれば、アヤトが心配そうに私の事を見つめていた。起き上がった瞬間、アヤトに抱きしめられ、寝起きの私は頭がついていかなかった。
アヤト「たく……驚かせやがって……何度呼んでもずっと魘されてるから心配しただろうが……」
『魘されてた…？』
アヤト「あぁ……怖い夢でも見たか…？」
『…怖いっていうか……変な夢…？男の人に告解を求められるっていう……』
アヤト「まじかよ……」
『アヤト…？』
驚いたという表情をするアヤトに首を傾げれば、アヤトは「オレも見たんだよ」と口を開き、今度は私が驚く番だ。
アヤト「オマエと全く同じ夢を見たんだよ……あぁ、思い出すだけで胸糞悪ぃ……」
『じゃあ、大事なものを預かるって言われた？』
アヤト「あ？言われてねぇけど」
『なんか男の人に言われたんだよね……アヤトからもらった指輪はあるし……私の大事なものってなんだと思う？』
アヤト「んなもんオマエが分からなくてオレに分かるわけ……なっ…！A……オマエ……」
『ん？』
アヤト「瞳の色……“青”じゃなくなってる……」
『！？』
アヤトに言われ、慌ててドレッサーの前に移動して鏡の中の自分を見つめれば、そこに映っていたのはサファイア・アイではなく、金色の瞳を持った自分だった。
『ま…まさか……私が盗まれたのって……』
アヤト「サファイア・アイってことか……他は何ともねぇか？具合は？」
『だ、大丈夫……視界もいつもと変わらないし……』
アヤト「とにかく、レイジに診てもらえ。アイツなら、何か分かるかもしれねぇ」
『う…うん……』
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作者名：セシル
| 作成日時：2017年10月26日 7時
