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第214話 かつて青が在った場所 ページ16

2018年3月────

『ハァ…ハァ……ッ……ハァッハァ…ハァ…!』

今…自分がどこを走っているのか……今…自分がどこへ向かっているのか……わからない……だけど…足を止めたら最後……私はまた…暗くて冷たい世界に閉じ込められる。

『ハァ…ハァ……ッ……あ、ヤバ……』

ひたすら走り続けていたせいか、とうとう体力の限界が来て、私はその場に倒れてしまう。早く起き上がって逃げなきゃと顔を上げた瞬間、見覚えのある革靴が視界に入り、私の顔からは血の気が引いていく。

「鬼ごっこはおしまいですか?Aさん」

『さ…三途……』

三途「戻りましょう、Aさん。首領も心配されていますよ」

倒れる私に、笑顔を浮かべて手を差し伸べる三途の手を恐る恐る握る。三途の手に支えられながら立ち上がる私に、三途は「お怪我はありませんか?」と私の服についた汚れを払ってくれた。

『……だ…大丈夫……ありがとう……』

三途「お怪我がなくてなによりです。さあ…こちらへ。車を待たせていますので」

『…………』

着ていたジャケットを私の肩にかけてくれる三途のシャツの袖を引っ張れば、三途は「どうしました?」と不思議そうに私の顔を見下ろした。

『……三途……私を殺して……』

三途「…………」

『今すぐ……ここで……私を殺して……』

シャツの袖にシワができるほど握りしめて、涙を流す私に、三途は「そんな事言ったら、マイキーが悲しみますよ」と言って、私の両手を握って、私の目の前に屈んだ。

三途「Aさんが居なくなったら、悲しむ人間がたくさんいる事を忘れないでくださいね」

『……………』

第215話 巡りゆく季節が、いつか二人を変えていった→←第213話 願うは幸せな未来



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瑠李(プロフ) - いつも楽しみにみています(*^^*)応援してます。頑張ってください。 (2021年12月14日 2時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - いつも楽しみに見てます!!今後がとても気になりました (2021年11月19日 19時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
まいこりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!! (2021年11月9日 18時) (レス) @page41 id: 580e720842 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!!!! (2021年10月4日 6時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ぱむむさん» ありがとうございます!私も個人的に梵天のマイキーのメンヘラヤンデレ感がすごく好きで絶対話に入れたいと思ってました(笑) (2021年9月10日 18時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2021年8月31日 11時

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