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第209話 弱いボクはキミと生きていたい ページ11

オレの肩に顔を預けて泣いていたAから寝息が聞こえてきて、オレはそっとAをベッドに寝かせる。

万次郎「また……痩せたな…」

久しぶりに触れたAの体は、一回りほど小さくなっている気がした。
あの抗争の後───オレはAの父ちゃんに殴られる覚悟で病院を訪れた。
Aの容態があまりよくなくて、Aの病室では医者と看護師の出入りが激しかった。そんな中、Aの父ちゃんがオレを見つけて、オレのところまでやってきた。
絶っ対ぇ殴られる……そう思っていたのに、Aの父ちゃんはオレの両肩を掴んで、「大変だったな。何かあれば、遠慮なく頼りなさい」と言ってくれた。Aの母ちゃんも、オレの事は一切責めず、「無事でよかった」と言ってくれた。Aが優しくて温かいのは、この両親の元で育ったからだって、改めて思った。

万次郎「タケミっちに…未来から来て何をしてきたのか……全部聞いたんだ……」

タケミっちの話じゃ、Aはどの未来にも存在していなかったらしい。本当なら、あの日───Aが階段から突き落とされて、意識不明の重体になった日……本当だったら、Aは駅のホームから突き飛ばされて、電車に轢かれて死んでいた。それを防いでくれたというのに、タケミっちはAを守りきれなかった事を悔いて、何度もオレに謝った。

万次郎「今、オマエが目の前にいるのもタケミっちのおかげだ……オマエを守るって何度も誓ったのに……オレは一度もオマエを守れなかった……自分が情けねぇよ」

Aが起きていたら、きっと「そんな事ないよ」って優しい笑みを浮かべるだろう。オレはずっと…そんなAの優しさに甘えてきた。

万次郎「A……こんな弱いオレでも……オマエはずっとそばにいてくれるか…?」

この先……オレは自分の手でオマエを傷つけるかもしれない……それでもオマエは…そばにいてくれるか…?

万次郎「…………オレから離れないで…A」

第210話 戻りつつある日常への来訪者→←第208話 泣き腫らす、世界の中心で



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瑠李(プロフ) - いつも楽しみにみています(*^^*)応援してます。頑張ってください。 (2021年12月14日 2時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - いつも楽しみに見てます!!今後がとても気になりました (2021年11月19日 19時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
まいこりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!! (2021年11月9日 18時) (レス) @page41 id: 580e720842 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!!!! (2021年10月4日 6時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ぱむむさん» ありがとうございます!私も個人的に梵天のマイキーのメンヘラヤンデレ感がすごく好きで絶対話に入れたいと思ってました(笑) (2021年9月10日 18時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2021年8月31日 11時

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