第八十四話 愛もやる気もぜんぶおまえがいなくちゃはじまらない ページ35
それから数日、太宰が云っていたのと同様の事件が三件起こった。被害を受けたのが三件のうち、二件がマフィアの傘下。これはポートマフィアへ向けた挑戦状だ。完全に喧嘩を売られている。
それと同時にAがよく体調を崩す様になった。元々、そんなに丈夫ではないが、ここ最近は酷い。その為、必然的に俺は本部では無く自宅で仕事をする事が多くなった。
部下がまとめた報告書に目を通していたら、ガシャンと何かが割れる大きな音がした。報告書を机に投げ置き、音のする方へ向かえば、そこには割れた食器とその場に蹲るAが居た。
中原「A…!」
俺は慌てて蹲るAに駆け寄った。今日は意識があるだけマシだが、Aの顔は痛みで歪み、見ているだけで辛そうだった。
中原「大丈夫か…?」
『っ……ちゅ…やさん……お皿…割っちゃって……ご…ご免なさい…』
中原「んな事、如何だって善いんだよ……皿なんてまた購えば善い」
俺は蹲るAを抱き上げ、その場から立ち去り、居間(リビング)のソファーにAを座らせる。
中原「怪我は?手とか切ってねぇか?」
『うん……中也さん、ご免なさい……仕事中だったよね』
中原「気にするな。仕事より手前の方が優先だ……頭痛てぇのか?」
『も…もう治まったから……大丈夫』
中原「そうか」
俺は安堵の息を付き、割った皿の片付けに向かおうとするAに「俺が遣るから手前は俺の目の届く処に居ろ」と云った。Aは申し訳なさそうな顔をしたが、素直に頷いた。
『……中也さん』
中原「あ?」
『お仕事……終わる迄、此処で寝てても善い』
中原「……好きにしろ」
「有難う」とお礼を云ってソファーに横になるAに自身の外套を掛ける。すると、直ぐにAの寝息が訊こえてきた。気持ち良さそうに眠るAの額に口付けを落とし、俺は残った仕事に取り掛かった。
165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまこ - 本当に面白かったです!!中也さんカッコイイです!! (2016年11月12日 23時) (レス) id: 015a6a66a8 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綾瀬雪さん» 何度も足を運んでいただき光栄です!!中也には溺愛していただきます(笑)今後ともご期待に添えるよう頑張りたいと思います! (2016年10月30日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬雪 - お久しぶりです。続き読ませていただきました。夢主ちゃん本当に可愛いですね!ワガママだけど根がいい子なのがいいですよね。これからも中也さんに溺愛されてほしい! (2016年10月28日 15時) (レス) id: e4913cbce9 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綾瀬雪さん» 本当ですか?良かったです(T_T)小説の話を組み込むのは不安だったのですが、そう言っていただける方がいて下さって本当に嬉しいです\ ♪♪ /これからもよろしくお願い致します (2016年10月15日 17時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬雪 - お返事ありがとうございます。本編より少し幼さの残る夢主ちゃんとってもかわいいです。ワガママ可愛い子大好きなので私の好みどストライクです! (2016年10月15日 14時) (レス) id: 3c086ba796 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セシル | 作成日時:2016年10月7日 23時