第五話 裏切りは蜜の味 ページ6
中原「五大幹部会?莫迦な。あれは数年に一度、組織の超重要事項を決定する時だけ開かれる会だ。あるなら、疾っくに連絡が……」
『──アナタ、何をしたの?』
太宰「矢っ張り、Aちゃんは鋭いねぇ……理由は、私が先日上層部にある手紙を送ったからだ。で、予言するんだけど……君は私を殺さないどころか、懸賞金の払い主に関する情報の在処を私に教えたうえで、Aちゃんと共にこの部屋を出て行く。それも、内股歩きのお嬢様口調でね」
中原「はあ!?」
太宰「私の予言は必ず中る。知ってると思うけど」
中原「この……状況からか?巫山戯る──……手紙?手紙…だと?」
太宰「手紙の内容はこうだ。“太宰、死歿せしむる時、汝らの凡る秘匿公にならん”」
その言葉に何かを悟った中也は、慌てて太宰さんから距離を取った。
中原「真逆、手前……」
太宰「元幹部で、裏切り者の私を捕縛した。だけど、上層部に“太宰が死んだら組織の秘密がぜんぶバラされるよ”っていう手紙までついてきた。検事局に渡れば、マフィア幹部全員、百回は死刑に出来る。幹部会を開くには、十分過ぎる脅しだ」
『……そんな脅しに日和るほど、マフィアは甘くない。アナタは死ぬ。死刑は免れない』
太宰「だろうね。けど、それは幹部会の決定事項だ。決定より前に私を勝手に私刑にかけたら、独断行動で背信問題になる。君の大好きな中也は、罷免か最悪処刑だ」
『………』
中原「俺が諸々の柵を振り切って、形振り構わず手前を殺したとしても……手前は死ねて喜ぶだけ?」
太宰「ってことで、やりたきゃどうぞ」
中也の動きが止まった。それと同時に、物凄く怒りのオーラが中也から発せられている。そんな中也にお構い無しで、太宰さんは中也の事を挑発する。
あー……最悪だ……これは後で、ワタシが逬りを受ける……絶対に。
刃物を手放した中也を太宰さんはフッと嘲笑った。
太宰「何だ。やめるの?“私の所為で、組織を追われる中也”ってのも、素敵だったのに」
ニコニコと娯しそうな太宰さんに、中也は怒りで手が震えていた。しかし、突然何かに気がついたように、ハッとして自分の頭に手を置いた。
中原「二番目の目的は、“俺に今の最悪な選択をさせること”?」
太宰「そ」
『……悪趣味ね』
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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時