第三十四話 優しきサンクション ページ35
立原「──ど、如何すりゃいいんだよ、これ!お、おい誰か……」
『立原……何してるの?』
立原「御嬢!?」
突然現れた人虎から赤ん坊を預かり、途方に暮れていた処に、行方不明になっていたAの御嬢が現れた。
『……立原って、子供居たの?』
立原「違いますよ!?」
御嬢が、あまりにも真剣に訊いてくるものだから思わず大声で否定してしまった。そのせいで、又もや赤ん坊が泣き喚き始めた。
そこへ、遠くの方から広津のジイさんと銀が、こちらに駆け寄ってきた。
広津「立原!こちらの戦況は……」
ジイさんと銀は、御嬢、俺、赤ん坊といった順に視線をやった瞬間、動きを止めた。
広津「立原……君も命知らずだね……よりにもよって、Aさんに手を出すとは……」
立原「んなわけねえだろ!!」
何故かこの赤ん坊が、御嬢と俺の子供だと勘違いしたジイさんと銀。銀に至っては、自身の刃物で、地面に“おめでとう”と書く始末。
そんなジイさんと銀を見て、御嬢が顎に手を当て、何かを考え始めた。
立原「お、御嬢…?如何かしましたか?」
『うーん……広津さんと銀が勘違いしたって事は、中也も騙せるかなぁって』
立原「そ、そんな事したら俺の命が危うくなるんで、止めてもらって佳いですか!?」
広津「保護者は?」
立原「居たらとっくに引き渡して……ジイさん、何とかしてくれよ!!」
その時だった。さっきジイさん達が来た方から、樋口の姐さんが現れた。
『あっ、樋口だ……おーい、樋口ー!久しぶりー!』
樋口「御嬢!?今までどちらに居らしたんですか!?中也さんがずっと探して……」
姐さんは皆まで云う事なく、動きを止めた。
樋口「おっ……お写真撮りましょうか?」
立原「アンタも何なんだよ!!!」
その後、赤ん坊の母親が見つかり、無事引き渡す事が出来たが、中也さんに説教されたのは、云う迄もない。
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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時