第二十六話 絶望ピエロ ページ27
フィッツジェラルド「──うーん…実に懐かしい。今の君を見ていると、彼の時の“彼等”を思い出すよ」
『は？何を云っているの…？』
フィッツジェラルドの背後を取り、回し蹴りをするが、ギリギリの処で避けられてしまう。
フィッツジェラルド「君は、本当に忘れてしまったのか。彼の日の残像を──」
『さっきから、何を云っているの？ワタシの事を知ったような口振り……訊いてて凄く腹立たしい』
フィッツジェラルド「知っているさ。何せ、君とは昔、一度だけ会っているからね」
『！？』
その時、ワタシの中で一つの記憶のピースと目の前に居る男の姿が重なった。
“こいつ等の娘を探せ。必ず何処かに居るはずだ……見つけ出し、俺の元へ連れて来い。こいつ等の娘は“鬼堂家”で唯一異能力を持つ女だ。希少価値がある。必ず見つけ出せ”
全身に悪寒が走った。周りの酸素がどんどん無くなっていく気がして、呼吸が苦しくなる。ワタシは、心臓辺りを押さえながら、目の前の男を睨みつける。
フィッツジェラルド「思い出してくれたかな？」
『──ワタシの一族を滅ぼしたのは……アナタ…』
フィッツジェラルド「そうだ。だが、君の父親が悪い。俺に協力出来ない等と云い出したのだから」
『……そうね』
フィッツジェラルド「おや……俺を恨んでいないのか？」
『恨む？莫迦云わないで。今の今まで忘れていた人間を恨む訳ないでしょ……寧ろ感謝してるわ。アナタのお陰で、ワタシは──』
刹那、ワタシは動いた。フィッツジェラルドの背後を取り、銃口をフィッツジェラルドに向ける。
フィッツジェラルド「ふむ……素晴らしい動きだ。流石と云ったところか」
『ワタシは……現マフィアの最年少幹部……その名前は伊達じゃない──舐めるな！！』
銃口を下げ、得意の脚技で目の前の相手を蹴り飛ばす……筈だった。完璧な間合い……防げる筈が無い……なのに何故、フィッツジェラルドはワタシの脚を掴んでいる？
フィッツジェラルド「──この程度とは……実にガッカリだ」
第二十七話 赤い靴はリボンが切れた→←第二十五話 嫌な声が鳴り響く
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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (
レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます！！とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします！！ (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです！他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです！続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください！私も陰ながら応援させて頂きます！ (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です！今後ともよろしくお願いします！！ (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品＆中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2016年6月8日 17時
