第二十一話 陰謀スパイラル ページ22
宮沢さんを蹴り飛ばし、背後から襲ってきた与謝野さんの攻撃を躱し、自身の異能で天井に立つ中也の姿を頬杖をついて眺める。
与謝野「その異能……“重力遣い”の中原中也だね……じゃあ、そっちの“御人形さん”が鬼堂Aってわけかい」
『なっ…!だ…誰が御人形よ…!!』
与謝野「おや、違うのかい?中原中也は、常に“人形”を連れているって訊いてたんだけどねェ」
『はぁ…!?』
ニヤニヤと笑う与謝野さんに、ワタシの苛立ちは募る一方だった。そんな人を莫迦にした様な情報を流す莫迦は一人しかいない。
中原「ち……太宰の兵六玉が喋ったか……太宰が其程警戒してんなら、期待に応えねえとなァ」
中也が天井から足を離すと同時に、ワタシも動く。中也が降りた地面は中也を中心に陥没し、ワタシは与謝野さんの背後を取り、与謝野さんの首元に短刀を当て、中也に蹴り飛ばされた宮沢さんには銃口を向ける。
中原「さァ、“重力”と戦いてえのは何方だ?其れ共、そいつと戦うか?あんたが云う“御人形”は、殺し屋の一族“鬼堂家”の末裔だぜ」
『──太宰さんに教えて貰ってない…?鬼堂を名乗る鬼が……如何やって人を殺すのか……』
与謝野「っ…」
[答えよ。ポートマフィアの特使]
銃の引き金を引き、与謝野さんの首元の短刀を更に突きつけた瞬間、監視カメラから探偵社の社長の声が訊こえてきた。中也に目をやれば、中也は黙って首を横に振った。だから、ワタシは大人しく引き下がり、中也の元へ駆け寄った。
[貴兄らの提案は、了知した。確かに、探偵社が組合の精鋭を挫けば、貴兄らは労せずして、敵の力を殺げる。三社鼎立の現状ならば、あわよくば、探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る]
『だけど、アナタ達にも損はない。悪くない話だと思うけど?』
[この話が本当にそれだけならばな]
中原「………」
[探偵社が、目先の獲物に喜んで噛み付く野良犬だとでも思うのか?敵に情報を与え操るは、高等戦術だ。この様な木理の粗い策で、我等を操れると考えるなら、マフィアなど戦争する価値も無い]
『あらら……怒らせちゃった…?』
中原「……敵の頭目から直々に挑発を賜るとは光栄だな」
第二十二話 ずるいのはお互いさま→←第二十話 鈍色ギャラクシー
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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時